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ユーザベース企業分析(前編)-事業ポートフォリオ整理-

はじめまして、株式投資ライターのSuiと申します。

今回分析するのはSPEEDAやNewsPicksを運営するユーザベース(証券コード:3966)です。

分析の流れとしては、以下の順番で分析をしていきます。

1. 前編:ユーザベースの全体像(事業ポートフォリオ)を把握する

2. 中編:各事業セグメントの売上・利益、KPIなどの数字を整理する

3. 後編:直近決算(2020年12月期2Q)で進捗を確認

前編となる今回の記事では、ユーザベースの全体像や各事業セグメントの業績を整理し、理解を深めていきます。

中編では、それぞれの事業セグメントを深堀りすることで収益構造を理解します。

後編では、それらを踏まえて直近決算(2020年12月期2Q決算)を確認していきます。

さて、前編のゴールは、過去の決算説明資料から、ユーザベースがどのような事業から構成され、各事業の業績がどういう状況なのかを理解することです。

さらに、どの事業が会社全体の成長ドライバーとなっているかを理解すると同時に、ユーザベースの業績を見るうえで重要な数字は何か?という点も見ていきたいと思います。

それでは実際に2019年12月期決算説明資料を見ながら分析していきましょう。

最新の決算説明資料は5月14日に発表された2020年12月期 第1四半期の資料 ですが、2Qや通期の決算資料の方が詳細なデータや説明資料が掲載されているケースが多いので、今回は2019年12月期決算説明資料を見ながら分析していきます。

(1)ユーザベースの全体像(事業ポートフォリオ)を把握する

まずは全体像の理解から始めたいと思います。決算資料を見ると、色々な数字がたくさん書いてあり、迷う方も多いかと思います。ただし、必ずチェックすべきなのは次の2点です。

  1. 全体業績(連結業績)の売上・利益
  2. 各セグメントの売上・利益

ユーザベースの場合、連結業績のページでセグメントごとの数字まで記載されているので分かりやすいですね。

決算資料にある通り、ユーザベースは4つのセグメントから構成されています。

SPEEDA事業、NewsPicks事業、Quartz事業、その他B2B事業の4つです。

まずは全体の数字である連結業績を見ていきます。

一般的には、連結業績の売上と営業利益(または当期純利益)の推移や前年比較があるので、売上と営業利益がどのくらい伸びているのかをチェックします。

ユーザベースの場合は、前年比で売上が+34%、営業利益にあたるEBITDAは▲15億で、2019年12月期は増収減益という内容でした。(図表1,2参照)

図表1:2019年12月期 連結業績ハイライト(売上高)
図表2:2019年12月期 連結業績ハイライト(EBITDA)

なぜユーザベースがEBITDAを使っているか、それはユーザベースが積極的な投資をしているからです。EBITDAは、簡単に言うと「営業利益 + 減価償却費」なので、投資が大きい企業は営業利益の代わりにEBITDAを使用しています。

<EBITDAの解説>
【図解あり】EBITDAとは? その意味とは?PLから10秒でキャッシュ・フローをざっくり読み取る方法をわかりやすく3つのステップで解説

売上が +34%に対してEBITDAが赤字になった要因は、新規事業であるQuartz事業が▲20.5億円になったことです。

Quartz事業を除いた場合はEBITDAは+55%と大幅な増益になっています。つまり、SPEEDA事業とNewsPicks事業だけを見ると、増収増益と順調なことがわかります。

簡単にまとめると、全体像は以下のとおりです。

  • ユーザベースの通期決算は増収減益だった(売上+34%, 利益▲15億円)
  • 4セグメントのうち、SPEEDA事業、NewsPicks事業は黒字事業。Quartz事業、その他B2B事業は投資フェーズの赤字事業である
  • Quartz事業の赤字が大きく、全体の利益を押し下げた

(2)各事業セグメントの業績、特徴を整理

全体像を把握した後に、各セグメントを見ていきます。

セグメントで見るポイントは2つで、それは各セグメントの①規模・収益性②成長性です。

① セグメントの規模・収益性

まずは、各セグメントの規模と収益性について見ていきます。

具体的には、各セグメントの売上構成比や利益構成比を確認することで、どこが重要なセグメントなのかを判断することができます。

図表3:セグメント別売上/利益構成比

こちらから、以下のようなことがわかります。

  • 売上構成比は、SPEEDA事業、NewsPicks事業ともに約3
  • 利益は、SPEEDA事業が13.8億円に対しNewsPicks事業は3.8億円と、SPEEDA事業の方が利益を多く出している(今回のケースでは赤字事業で利益構成の比率が分かりにくくなっているため、実数で見ています)

また、利益率で比較しても、NewsPicks事業の利益率が9.1%に対してSPEEDA事業の利益率が30.4%と、SPEEDA事業の方が利益率が高いことがわかります。

②セグメントの成長率

次に、どの事業が成長しているかを見ていきます。

セグメントが変更される時もありますが、過去2〜3年のYoYを計算したのがこちらです。

図表4:セグメント別売上/EBITDAの実績・成長率

各セグメントの売上とEBITDAのYoYを見ると、以下の考察が挙げられます。(利益の金額が小さいためにYoYの変化率が大きくなる点や、サンプルが少ない点には注意が必要です)

  • 売上はSPEEDAよりもNewsPicksの方が伸びている
  • 利益はSPEEDAが安定的に+60%以上の成長
  • NewsPicksは2018年が大きく伸びた or 今年が一時的に伸び鈍化した

また、①で確認したとおり、全社業績との関係ではSPEEDA事業とNewsPicks事業が利益を稼ぎ、まだ赤字であるQuartz事業、その他BtoB事業に投資していることが図表4からも確認できます。

セグメント別の売上・利益をこのようにExcelで整理すると、どのセグメントが収益源なのか、または投資段階なのかなどが見えてくるので、ぜひやってみてください。

中編は、各セグメントのKPIやビジネスモデルなど、事業ごとの細かい部分を見ていきたいと思います。


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By 株式投資ライター

大学時代に投資の面白さや重要性を知り、10年近くマーケットを見ています。証券会社(営業)や調査会社(営業・リサーチ)で勤務経験あり。成長株を中心にファンダメンタルズ分析が得意です。最近は米国企業の分析にも興味があります。

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