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DX銘柄大本命「チェンジ」の株価は?中期計画の修正内容と事業の多角化に注目

2020年10月に実施した株式交換によりトラストバンクを完全子会社化したことで注目を集めているチェンジ(3962)。第3四半期ではトラストバンクが売上・利益とも大幅に伸ばす一方、チェンジは減益となりグループ内で明暗が分かれました。

ふるさと納税を柱に好成績を上げるトラストバンクと、事業環境の好転から長期成長の期待がかかるチェンジについて分析しつつ、2020年9月期本決算で注目すべき点を取り上げました。

目次

  1. 第3四半期までの営業利益は子会社トラストバンクの伸長により驚異の306.8%増
  2. トラストバンクの完全子会社化でEPSが37.83%増加。シナジー拡大に期待がかかる
  3. 目下の事業環境はトラストバンクに順風、長期の成長はチェンジが担えるか
  4. 【まとめ】中期計画の修正内容とトラストバンクの長期を見据えた事業の多角化に注目

第3四半期までの営業利益は子会社トラストバンクの伸長により驚異の306.8%増

2020年11月に予定されているチェンジの2020年9月期の本決算発表に先立ち、第3四半期までの主な経営指標と事業展開、注目すべきポイントについておさらいしておきましょう。

2020年8月12日に発表された2020年9月期の第3四半期決算(2019年10月1日~2020年6月30日)における売上高・営業利益は以下のとおりでした。

営業利益の驚異的な伸びが目立ちます。これにともない売上高営業利益率も前年同期の15.2%から今期は37.5%と著しい改善を示しました。

チェンジの決算は、本体であるチェンジと子会社であるトラストバンクの連結で発表されています。セグメントに分けた経営指標は以下のとおりです。

売上高・営業利益とも子会社であるトラストバンクの伸びに支えられていることがわかります。

トラストバンクは新型コロナウイルス対策のプロジェクトを多数企画・実行した結果、ふるさと納税の取り扱い寄付額が想定額を上回り好調に推移しました。

20年9月期の最新業績見通しは売上高が110億円と期初目標から17.6%増、営業利益が34億円と期初目標から161.5%の大幅増を見込んでいます。

株価は第3四半期決算発表時点(2020年8月12日)で4,450円(株式分割調整後の数値)、時価総額は約1,492億円でしたが、10月28日時点で株価は8,510円、時価総額は約2,854億円と80%を超える上昇を見せています。

9月末頃に株価はいったん12,370円まで上昇しましたが、過熱感から調整し現在は落ち着いているところ。経営陣からは今回の株価下落は「経営のファンダメンタルズに基づいたものではない」という趣旨のコメントが聞かれました。

ALTalk「チェンジの」より

トラストバンクの完全子会社化でEPSが37.83%増加。シナジー拡大に期待がかかる

親会社チェンジと子会社トラストバンクの業績をセグメントとしてみると以下のとおりとなります。

売上高のシェアで75.5%、利益のシェアでは89.0%といずれもトラストバンクが多くを占めています。

チェンジはいま話題の「DX」(デジタルトランスフォーメーション)で注目を集めています。

チェンジでは、業務システムの導入と人材教育を併せたトータルソリューションを提供する「NEW-ITトランスフォーメーション事業」を推進しています。主な顧客は中央省庁、自治体、生損保、証券、SI、通信キャリア、クラウドサービスなどです。新型コロナウイルス感染拡大が経済活動にさまざまな影響を及ぼしているなかでも、比較的投資体力を維持している業種に注力して案件化を進めています。

トラストバンクは日本最大級のふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」の運営を含む「パブリテック事業」(「行政のデジタル化」と「社会のスマート化」)を柱に、地域通貨事業、地域エネルギー事業といった、地方に根を張った事業の多角化を進めています。

20年10月にチェンジがトラストバンクを完全子会社化したことで、チェンジのEPS(1株当たり利益)は37.83%の大幅増となりました。

チェンジは2003年にコンサルティング会社アクセンチュア出身メンバーにより創業しました。トラストバンクは2012年に現会長のふるさと納税サイトの開設によって誕生しました。両社の資本関係はもともと強かったものの事業分野は異なっていましたが、地方公共団体向けのパブリテック事業にトラストバンクが本格参戦したことでチェンジの得意分野であるDXとのオーバーラップが生まれ、シナジーが大きくなっています。今後、完全子会社化によるパブリテック事業の効率化・スケールアップに大きな期待がかかります。

目下の事業環境はトラストバンクに順風、長期の成長はチェンジが担えるか

日本は「人口減」という長期課題を抱えています。目下、そして長期的にもDXの余地は構造的に大きいうえに、他の先進国より遅れている分、チェンジの事業にはチャンスの大きい局面が続くと考えられます。

トラストバンクの成長が目立っていますが、今でこそ売上高の25%ほどしかないチェンジの「NEW-ITトランスフォーメーション事業」に、長期的に注目していきたいところです。

菅政権下のもとでデジタル庁の設置が検討されていますが、その一丁目一番地が「行政のデジタル化」(署名・決済のデジタル化、マイナンバーの普及、行政のIT化・業務標準化、行政の働き方改革)です。

行政のデジタル化も、チェンジが省庁や自治体への取り組みを強めていることへの強い追い風となります。行政を旗振り役に民間のDX推進が加速すれば、システム導入から人材教育までトータルに手がけるチェンジの事業への好影響が見込めます。

トラストバンクについては、ふるさと納税はまさに菅首相が官房長官時代に肝いりで推進した政策であり、当面推進が続くことが予想されます。今後も政策関連の動きがあるか、ウォッチが欠かせません。

また、チェンジの投資部門にも注目です。

チェンジはM&Aを重視しており、トラストバンクという大ヒットを生み出した実績があります。M&Aの指針もチェンジの事業とダイレクトに関わる手堅いものです。子会社化による事業拡大をねらうにしても、DXというコア事業を軸に据えた投資活動には、すぐれた目利きとインキュベーションが期待できます。

■チェンジの投資事業方針
1.仲間(デジタル人材)を獲得するためのM&A
2.経営者を育てるためのM&A
3.DXを実践するためのM&A

https://ssl4.eir-parts.net/doc/3962/ir_material2/149383/00.pdf

【まとめ】中期計画の修正内容とトラストバンクの長期を見据えた事業の多角化に注目

2020年9月期の第3四半期決算で通期目標を上方修正しており、経営陣は業績に自信を持っています。まずは修正した目標である「売上高110億円・営業利益34億円」が達成されるかをチェックしましょう。

2022年までの中期計画の進捗が著しく、営業利益ベースで1年前倒しの達成を見込んでいます。中期計画の修正を2020年9月期本決算のタイミングで検討するとしており、その内容にも注目です。

今後はこれまで以上に完全子会社化されたトラストバンクの収益がよりダイレクトにチェンジの株価に反映されます。パブリテック部門において第3四半期でのめざましい成長が続くか、売上と収益はどれだけ伸びるかを確認しましょう。

トラストバンクの売上は国の制度であるふるさと納税に強く依存しています。引き続きコア事業として推進しながらも、長期を見据えた事業の多角化が急がれます。行政のデジタル化、地域通貨事業、地域エネルギー事業などの進捗や自信度も見ておきたいところです。

チェンジについては、DX事業と投資事業に長期的な成長期待がかかります。

「Google Workspace」をはじめとする業務支援ツールの提供と、幅広くテクノロジー企業への投資事業を行う米グーグル社との類似性も感じられます。

グーグルがGAFAの一翼を担う「テクノロジーのアイコン」であるように、チェンジが日本における「DXの象徴」となる日が来れば長期投資家は報われることになります。

チェンジの株価指標は以下のとおりです。

チェンジの株価については一時の高騰を経て落ち着いてはいますが、指標で見るといまだ過熱の域です。

短期狙いの投資家はモメンタム(勢い)への目配りが欠かせません。長期保有を考えている投資家は、短期の値動きに気をとられないよう毎決算ごとにファンダメンタルズをしっかり確認していきましょう。


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営業利益が2倍!コロナ禍が与えるジモティー株価への影響は?財務状況と事業投資に注目!

「地元の掲示板」でおなじみのクラシファイドサイト「ジモティー」を単独事業とし、着実に成長を遂げてきたジモティー。コロナウィルスの影響で足元の株価は調整段階にあるものの、直近半年間で株価を3倍弱にまで伸ばしてきた成長企業です。

コロナウィルスの影響で自宅での時間が増加、地域内の情報が価値を持ち始め、ジモティーの需要は強まるばかりです。本記事では、 2020年11月13日に発表予定である2020年12月期の第3四半期決算で注目すべき点を取り上げました。

目次

  1. 【前回決算おさらい】売上高は前年比12%増、経常利益は前年比204%増、コストを削減し効率的な経営に
  2. 主要KPIは前年同期比大幅伸張
  3. 【次回決算のポイント】サイトの利用数は回復傾向。今後の事業展開に注目

【前回決算おさらい】売上高は前年比12%増、経常利益は前年比204%増、コストを削減し効率的な経営に

2020年11月13日に予定されているジモティーの2020年12月期第3四半期決算に先立ち、第2四半期の業績についておさらいしておきましょう。

2020年8月14日に発表された20年12月期の第2四半期決算では、上半期累計の売上高が6.98億円(前年同期比+12%)、営業利益が1.65億円(前年同期比+199%)、そして経常利益が1.64億円(前年同期比+204%)となっています。

在宅時間、地域内情報の需要増加により売上高は堅調に伸びており、同時に広告宣伝費・業務フローの見直しを行うことで、販売費及び一般管理費は前年比-7%。効率的な経営が進められています。

第2四半期を発表した8月14日時点の株価は2,106円、時価総額は約126億円でしたが、10月23日時点で株価は3,810円、時価総額は約214億円と大幅な上昇を見せています。

※ALTalk「ジモティーの指標」より

主要KPIは前年同期比大幅伸張

ジモティーは単一セグメントによる事業展開をしており、第2四半期決算が発表された8月14日時点では、先述したクラシファイドサイト「ジモティー」の運営を専業としています。

主要なKPIであるPV数(視聴回数)や投稿数が増加すれば、それだけ世の中に浸透していることを意味し、収益源である企業から、より多くの広告収入を得ることができます。

第2四半期決算で発表されたKPIの進捗は、新型コロナウィルスの影響で、新規ユーザー数・一人あたりの利用機会の双方が増加し、前年同期比でPV数+37%、投稿数+43%と伸張しました。

さらに、ジモティーの有料オプション利用者は年々増加しており、20年12月期の第2四半期決算発表時点で16,696人であり、前年同期比で26%の増加を遂げています。

【次回決算のポイント】サイトの利用数は回復傾向。今後の事業展開に注目

2020年11月13日に発表予定とされている次回決算(2020年度第3四半期)における注目ポイントは、主力サイトのジモティーがどれだけ伸びているかと、「収益基盤の強化」がどれくらい進捗しているか、この2点だと考えられます。

下図はALTalkからの引用で、ジモティーの直近半年間のWEBサイトの月間訪問数の推移を表しています。

※ALTalk「ジモティーの指標」より

下向きつつあったPV数ですが、PV数は回復傾向にあり、今後さらに増収が見込めると考えられます。

また、中期計画で重視している収益基盤の強化がどれくらい進捗しているかについても注目ポイントです。

その一つとして、2020年8月17日に公表された新規事業である格安配送代行サービス「ジモティー便」があります。ジモティー便とは、大型の家具や家電などでも距離別料金で5km500円からという格安の料金形態でジモティーが代わりに配送・搬出搬入するというものです。これまでのように自ら輸送手段を用意する必要がなくなり、より一層ジモティーの利便性が向上します。

また、行政や地方自治体とリユース事業を進めていたりと、収益基盤強化の種まきを進めています。

これらの種まきがジモティーの業績に「いつ」「どれくらい」寄与するのか、そのポテンシャルが今回の決算発表で具体的に見えてくると、株価に好影響を与える可能性があります。

短期的な視点ではジモティーの売上成長と関連するKPIに注目し、中長期的な視点では収益基盤の強化がどれだけできるかに注目していきましょう。

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4期連続最高益後のコロナ直撃。リカバリーの目処は?リクルート中間決算のポイント

11月16日(月)にリクルートホールディングス(6098)の中間決算発表が予定されています。

これまでの業績を振り返りつつ、今回の中間決算の注目ポイントはどこにあるのか解説します。

目次

  1. 企業概要
  2. リクルートの直近の業績をチェック
  3. 前期決算発表後から今までの株価推移
  4. 中間決算の注目ポイント
  5. まとめ

1. 企業概要

株式会社リクルートホールディングス(リクルート)は東証一部上場で、求人・各種情報メディア、人材派遣業が主力の大企業です。近年は求人検索エンジン大手、米国のインディード社買収など、グローバル企業への躍進を果たしています。

2. リクルートの直近の業績をチェック

中間決算を控えたリクルートの直近の第1四半期の業績を確認します。会社全体と事業部ごとの実績、進捗率はどうなのか、細かく見ていきます。

(1) 業績サマリー

まずはリクルートの本年度の第1四半期(2020年1Q)の業績をざっと見てみましょう。

単位:億円、数値は概算

コロナ禍による影響を受け、業績好調だったリクルートも大幅な減収減益を強いられました。

【前年同期比との比較】

  • 売上 :5,944→4,754億円(20%ダウン)
  • 営業利益 :712→266億円(62.6%ダウン)
  • 四半期利益 :596→224億円(65.3%ダウン)

売上が急減するなかで、広告費と販促費を中心に販管費を440億円減らしたものの、第1四半期の利益は前年同期比の3分の1程度となりました。

(2) 各事業分野ごとの実績とその要因

次に、各事業ごとの実績を説明します。
売上の高い事業部門から、「人材派遣」「メディア&ソリューション」「HRテクノロジー」の順に見ていきます。

人材派遣

リクルート社は人材派遣の最大手で、この事業分野で会社の売上の半分以上を稼ぎ出しています。

これは2020年4月の法律施行による「同一労働同一賃金」の実施にともない、国内で展開する派遣事業が増収・増益になったことが寄与しました。セグメント売上の落ち込みは主に海外の派遣事業の減収(26.6%減)によるものです。

メディア&ソリューション

メディア&ソリューション事業は、求人と一般消費者向けの情報・販促メディアプラットフォームの運営です。メディア&ソリューション事業は会社の利益の半分以上を稼ぎ出す大黒柱といえます。

コロナ禍の影響による自粛で来店販促や旅行、求人サイトの利用が激減し、広告販促費を抑えたものの、利益が前年同期の半分程度に落ち込んでしまいました。

HRテクノロジー

HRテクノロジー事業では求人検索エンジンサイトと、企業の口コミ投稿・求人検索サイトの運営をしています。売上は会社全体の2割程度に過ぎません。

売上は前年同期比27.5%減、セグメント利益は6割減と大幅ダウンしました。HRテクノロジー事業はグローバル展開しているサイトが主軸のため、世界的な不景気の影響を受けやすいです。投資抑制など経費節減をしたものの、企業広告の出稿見送りが大きく響きました。

(3) 会社の通期予想に対する進捗率

リクルート社では今期(2021年3月期)の連結業績見通しが困難として公表していません。合理的な業績予想が可能になった時点で開示すると表明しています。

3. 前期決算発表後から今までの株価推移

ここで、ひとまずリクルート社の最近の株価推移をチェックしてみましょう。

リクルートホールディングスの株価は株式市況の下落に巻き込まれることはあっても、前期決算からおおむね好調に推移しています。さすが4期連続増収増益の好業績かつ人気の銘柄ですね。第1四半期の発表後は特段の下落もなく、株式をそのまま保有しているホルダーも多いことでしょう。

4. 中間決算の注目ポイント

最後にリクルートの中間決算の注目ポイントを紹介します。まず証券アナリストの業績予想を確認し、その後に着目すべき点を見ていきましょう。

  • 中間決算の経常利益 :804億円(出典:IFIS株予報)
  • 今期の業績予想(純利益) :1,303億円(出典:みんなの株式)
    ※2020/10/28 現在

前期(2019年2Q)の中間決算の実績は経常利益が1,578億円でしたので、今期は半分程度に落ち込むと予想されています。

直接的な比較はしにくいですが、今期の第1四半期の純利益は224億円でした。中間決算は恐らく500億円台に着地する予想をしているとみられます。

そして、リクルートの中間決算で注目すべきポイントは以下です。

(a) 人材派遣事業がどこまで踏みとどまるか

(b) 国内の消費回復傾向を取り込めるか

(c) 海外の景気動向による影響

(a) 人材派遣事業がどこまで踏みとどまるか

リクルートの売上の半分以上は国内外の人材派遣事業によるものです。ただ、直前の第1四半期は海外部門でコロナ禍の影響をもろに受けたものの、国内部門は大好調でした。

しかし、ここにきて国内の状況も怪しくなっています。例えば、総務省の労働力調査(~2020年8月)によると、2020年3月まで高止まりしていた国内の派遣社員数が4月に急減し、またさらに7月にぐっと減少しています。国内外の人材市場の収縮の影響がどの程度あったか注視しましょう。

(b) 国内の消費回復傾向を取り込めるか

メディア&ソリューション事業は会社の利益の半分以上を稼ぐ大事な部門です。しかし、この分野はほぼ国内市場に依存しているため、国内の需要回復がどの程度だったか、また確実に需要を取り込めたかがキモになります。

第1四半期に特に落ち込んだのは「転職&(非正規)求人」「結婚」「旅行」「飲食」です。旅行と飲食は政府のGoToキャンペーンがあり、結婚式の件数は8月と9月で前年同期比でそれぞれ50%、70%に回復しています。本格的な景気回復とはほど遠いため、その他の分野の回復状況もチェックしておきたいですね。

(c) 海外の景気動向による影響

HRテクノロジーは世界的な転職/口コミ関係サイトの運営事業のため、海外の景気と求人市場が回復しない限り、業績は軟調になると見込まれます。コロナ禍により英独仏で外出や営業制限の発令、米国は地域により活動制限がある状況にです。回復の見込みはまだ見えません。

コロナ禍からの業績回復はなかなか厳しいですが、どの程度回復しているかを見極め、投資の判断を行いましょう。

5. まとめ

業績好調だったリクルート社さえもコロナ禍による不景気に巻き込まれています。中間決算の見どころは、一時あった経済活動の制限とそれに続く緩和でどの程度業績が回復したかです。

コロナ禍による経済の落ち込みはとても激しいです。しかし、コロナ禍を克服できる兆しが出てくれば、消費需要や企業の採用意欲が回復し、リクルート社の業績のV字回復も期待できるのではないでしょうか。

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PER400倍以上!「スガノミクス銘柄」メドレーはオンライン診療の恒久化実現で関心高い

新型コロナウイルス感染症拡大を機に注目が一気に高まったオンライン診療。メドレー(4480)は日本最大級のオンライン診療システム「CLINICS(クリニクス)」を展開しています。

時限的なオンライン診療の初診解禁もあり、先行者利益的な側面もあって業績が拡大しています。株価も2020年10月半ば頃まではほぼ一本調子の上昇を見せてきました。

一方、人手不足の看護職などの求人を行う、人材プラットフォーム事業という部門もあり、収益は安定性もある程度有しているともいえます。2020年12月期の第3四半期(1~9月)決算での注目点を取り上げてみました。

目次

  1. 4~6月期の売上高は前年同期比42%増、利用医療機関数の増加が主因
  2. 人材プラットフォーム事業が安定収益源
  3. オンライン診療は順調に拡大、利用医療機関数は前年同期比2倍に
  4. 【まとめ】「スガノミクス」によるオンライン診療の恒久化の動きに期待

4~6月期の売上高は前年同期比42%増、利用医療機関数の増加が主因

20年11月に予定されているメドレーの20年12月期(連結)の第3四半期決算発表を前に、第2四半期までの主な経営指標と事業展開、注目ポイントなどについてチェックしてみます。

20年8月に発表した第2四半期累計(1月1日~6月30日)は売上高35億6,400万円、営業利益4億5,200万円となりました。上場後初決算で、前年同期との比較はありません。

ただ、実質的には大幅な増収増益となっています。

第2四半期(4~6月)だけで見ると売上高23億1,500万円(前年同期比42.0%増)、営業利益6億6,300万円(同26.2%増)です。

新型コロナウイルス感染拡大でオンライン診療の利用医療機関数の増加を背景に高い伸びとなっています。

20年12月期通期の業績予想は売上高が66億円(前期比38.5%増)~69億円(同44.8%増)、営業利益は3億3,000万円(同2.15倍)~6億3000万円(同4.31倍)と期初予想を据え置いています。

第2四半期決算発表時点(8月14日)で株価は3,570円、時価総額は約1,078億円でしたが、10月26日時点では株価は5,750円、時価総額は約1,737億円と大幅な上昇を見せています。

人材プラットフォーム事業が安定収益源

メドレーの事業は「人材プラットフォーム事業」「医療プラットフォーム事業」「新規開発サービス」の3つの部門に分かれます。

人材プラットフォーム事業では、看護師や介護職・ヘルパー、保育士などの人材不足に対応。一定期間職場を離れた人材が復職しやすいよう、時短勤務制度、子育て支援など、ライフステージの変化に応じた働き方が選べる職場の求人などを多く掲載しています。

人材プラットフォーム事業の第2四半期累計の売上高は約30億900万円(比較なし、以下同)、セグメント利益は約14億3,800万円。新型コロナウイルス感染拡大での緊急事態宣言の影響で面接の遅延、入職延期の影響が出ましたが、同宣言解除後に復調したもようです。

医療プラットフォーム事業では、新型コロナウイルス感染拡大以降に話題になっているオンライン診療に関連しているビジネスが柱。コロナを機にオンライン診療が時限的措置である初診解禁を背景に、クラウド診療支援システム「CLINICS(クリニクス)」が拡大しています。

医療プラットフォーム事業の売上高は約5億300万円、セグメント損失は約2億5,300万円。売上高は拡大しているものの、成長投資や先行投資が赤字の要因に。他社の電子カルテ資産の取得費用も含まれます。

新規開発サービスでは、老人ホームの検索サイト「介護のほんね」などを手がけています。新規開発サービスの売上高は約5億1,900万円、セグメント損失は約4,000万円でした。

オンライン診療は順調に拡大、利用医療機関数は前年同期比2倍に

人材プラットフォーム事業は緊急事態宣言後の発出(4月7日)により、面接設定の遅延や入職延期の影響を受けて低成長にとどまりましたが、5月25日の同宣言解除以降は高成長軌道に回復しているとのことです。採用プロセス上のボトルネックは6月時点で解消しました。

医療プラットフォーム事業では利用医療機関数が第2四半期末時点で前年同期比約2倍の2,173件に達しています。オンライン診療への機運の高まりが要因です。また、メドレーとしては新型コロナウイルス感染拡大の影響で診療所の新規開業減に伴う電子カルテの販売数低下を見込んでいましたが、堅調な販売が継続したそうです。

【まとめ】「スガノミクス」によるオンライン診療の恒久化の動きに期待

メドレーの第2四半期の決算からは安定して収益を稼ぐ人材プラットフォーム事業に対し、先行費用負担はありながらも急速に売上高が拡大している医療プラットフォーム事業という内容がわかってきました。

オンライン診療は緊急事態宣言後も、初診の利用だけでなく、再診でも利用する傾向が強く、日常生活にオンライン診療が根付き始めています。

一方、日本医師会はオンラインの初診は例外で、平常時には対面に戻すよう求めています。こうした中で、菅義偉首相はデジタル化を推進する政策の中で、オンライン診療の恒久化を目指しています。実現すれば、一段の追い風になりそうです。

人材プラットフォーム事業は人材不足の常態化を背景に、順調に伸びる見通しですが、オンライン診療のような急成長は期待できないと思います。業績の下支えとして期待をしておきたいです。

メドレーの株価指標を見ておきましょう。

・PER(株価収益率):404.92倍
・PBR(株価純資産倍率):40.95倍
・PSR(株価売上高倍率):25.55倍
・配当利回り:0%

成長フェーズにある企業ではPER、PBRはあまり参考になりませんし、PSRも一般的ではありません。

20年12月期の売上高予想の上限は69億円(前期比44.8%増)です。まだ、規模が小さい会社ですから、このペースの売上高の変化率が維持されるのかが今後のポイントといえます。

メドレーのオンライン診療システム「CLINICS(クリニクス)」は日本最大級の規模を誇っています。今回の新型コロナウイルス感染拡大で顧客である診療所を多く獲得し、先行メリットを享受しています。一方、これからは新規参入も相次ぐ可能性があります。

課題をクリアし、いかにトップライン(売上高)を伸ばせるかが、当面の株価の行方を決めることになりそうです。PER、PBRの高さは、期待値が低下する局面では株価の乱高下の可能性もあることを念頭におく必要もありそうです。


ALTalkでは、メドレー以外にも、インターネット系銘柄を中心に約50銘柄を掲載していますので、ぜひ登録してご覧ください。


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コロナ前の消費行動には戻らない?物価から人々の行動を確認しよう

 総務省が10月23日に発表した9月の全国消費者物価指数(CPI)は「総合」と「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」がともに前年同月比±0.0%となり、生鮮食品を除く総合は同-0.3%となりました。

 総務省は2019年10月実施の消費税率引上げ及び幼児教育・保育無償化の影響を品目ごとに機械的に一律に調整した指数である「消費税調整済指数」も同時に発表していますが、こちらは3指数とも前年同月比でマイナスとなっており、依然として物価が上昇していく気配は確認できません。

一時期よりも外出は増えるも、コロナ前の状態には戻っていない

 それでは、今回も内訳を細かく見ていきましょう。外出自粛に伴い巣篭り生活の影響から需要が高まっているとされていた菓子類は徐々に物価上昇率が下落しています。少しずつ外出を増やす人が増えてきたのでしょうか。

 しかし、人件費の高騰によって価格上昇が指摘されていた外食を見てみると、こちらも少しずつ物価上昇率が緩やかに下がっています。緊急事態宣言が明けて以降も客足が戻りきらず、価格を下げている飲食店が私の自宅周辺でも見かけられるのですが、これら2つの品目から想像されるのは、一時期よりは外出する人が増えたものの、積極的に消費をする状況にはないということなのでしょう。それはもちろん、感染を嫌がって外食を避けているということもあると思いますが、それ以上に労働市場の悪化や、残業代・ボーナスの減少など、消費を控える環境にあると考えます。

品目ごとのクセを知ることが重要

 次に、エネルギー価格のうち、電気代とガソリンの推移を見てみましょう。ともに物価上昇率はマイナス圏で推移していますが、電気代が緩やかにマイナス幅を広げている一方で、ガソリンは急速に戻しています。

 原油価格が春先に大きく下落し、それ以降は40ドル前後まで値を戻し、その後はその水準で推移しています。実は電気代は原油価格の反映に時間がかかるクセがあるため、いま春先の原油価格の下落の影響が出ており、一方でガソリン価格は原油価格の推移と似たような動きになっているのです。このような品目ごとのクセを知ることは非常に重要です。

リモートワークは定着か?

 つぎに教養娯楽用耐久財として、デスクトップパソコンとプリンタの推移を見てみましょう。4月、5月の緊急事態宣言が発令した時期にリモートワークのためにデスクトップパソコンやプリンタの需要が高まり値段が上がるのは分かりますが、足元でも上昇しています。

 菓子類や外食の推移を見た際に、一時期よりは外出をする人が増えたものの、積極的に消費をする状況にないと書きましたが、パソコンやプリンタの推移を見てみると、仕事という観点からはリモートワークが想像以上に定着してきたと言えるでしょう。

Go To トラベルキャンペーンの効果は10月以降に期待

 Go To トラベルキャンペーンの影響で、宿泊料は前月と同様に大幅なマイナスとなりました。このキャンペーンがどれほどの効果があったかというと、東京追加前は期待ほどの効果がなかったものの、東京追加以降では大きく効果が確認されるだろうということが私の見解です。

 その見解の根拠となるのは、オルタナティブデータとしてクレジットカード決済の情報を分析した結果なのです。東京追加は10月からですが、9月後半から先行して予約を行うことが可能でした。そのため、9月後半の時点で既に旅行への消費が増加しているのです。

 今回発表された消費者物価指数は9月分のデータになります。来月発表される10月分のデータは消費増税から1年経ったことや、酒税・たばこ税、NHKの受信料の変更など様々な要因が影響を与えます。

 これまでの連載で消費者物価指数を内訳まで詳しく見ていくことの重要性を分かってきたと思いますので、10月のデータではどの品目がどのような価格変動を見せるのかを今から予想してみましょう。次回の記事で答え合わせが出来ればいいなと思います。

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ABEMAの成長加速と広告需要の回復がカギ

サイバーエージェント(4751)の2020年9月期 通期決算が10月28日に発表される予定です。

決算発表を迎える前に、前回の決算のおさらいや今回の決算の見どころをまとめました。

サマリー

  • メインの3事業はともに堅調に推移していると予想される。
  • メディア事業(ABEMA)は巣ごもり需要をきっかけに認知度が向上し、新規顧客の獲得につながっている。
  • インターネット広告事業では経済活動の再開に合わせて業績の回復が予想される。
  • 10月28日の決算発表にて大幅な増収・増益が見られれば、さらなる株価上昇の可能性あり

目次

  1. サイバーエージェントについて
  2. 前回決算のおさらい
  3. 次回決算の注目ポイント

1. サイバーエージェントについて

サイバーエージェントは、メディア・ゲーム・インターネット広告の3つの事業を柱とする会社です。

インターネット広告事業は国内トップシェアで、現在映像コンテンツサービス「ABEMA」を育成中。日経平均採用銘柄です。

サイバーエージェントは5つの事業セグメントから成り立っています。それぞれ詳細に見ていきます。

メディア事業

2016年「Abema TV」の開局で事業がスタートしました。会員数は着実に増加しているものの、事業は赤字の状態。依然として投資フェーズだと認識しています。オンデマンド放送は大手の参入が多く、差別化が求められるでしょう。

ゲーム事業

2009年から参入した事業です。2012年にはゲームの内製化、そして2013年には累計登録ユーザーが3,000万人を突破しました。同業他社がひしめく業界であるが一定のポジションを確立しており、同社の第2の柱として成長しています。

インターネット広告事業

同社のメインビジネス。インターネット広告は広告業界の花形となっています。その中で早くから「Ameba ブログ」などで事業化している同社は安定したキャッシュフローを確立しています。

投資育成事業

子会社によるベンチャーキャピタル事業。インターネット関連の様々な事業に投資をしています。

その他事業

インターネットを使った結婚サポートサイトやクラウドファンディングサイトなどの運営を行っています。

また、それぞれの事業の売上推移を見てみましょう。インターネット広告事業がポートフォリオの大半を占めており、投資フェーズのメディア事業が徐々に比率を伸ばしています

過去3年間の決算短信を元に作成

2. 前回決算のおさらい

前回の決算発表となった2020年9月期第3四半期(2020年4~6月)の、連結売上の累計は下記の通りです。

・売上高:3,577億円(前年同期比4.6%増)
・営業利益:285億円(21.9%増)
・経常利益:284億円(22.8%増)
・純利益:58億円(230.9%増)

新型コロナウィルスの影響で、メインのインターネット広告事業は前年と比べ低調な推移でした。一方で、巣ごもり需要によってメディア事業が売上を伸ばし、またゲーム事業も堅調に推移しています。

また、広告費の低減や在宅勤務による管理費用の削減が功を奏し、増益を達成しています。

続いて、セグメント別に見ていきましょう。

【メディア事業】

  • 売上高:133億円(前年同期比19.2%増)
  • 営業損失:40億円

3Q単体では2Qよりも売上高の低下は見られましたが、営業損失は軽減。累計では前年比売上高15%増に対して営業損失は若干の増加が見られます。

また、新型コロナウィルスの影響で利用者数が急増しています。同社は、有料会員数を72.9万人(2020年6月末)から100万人(2,020年末)を目標にしています。

【インターネット広告事業】

  • 売上高:643億円(0.01%増)
  • 営業利益:47億円(6%減)

3Qは2Qよりも売上高・営業利益ともに減少。しかし新型コロナウィルスによる「巣ごもり需要」への営業強化で売上高・営業利益ともに累計では増加しています。

4Qは経済活動が徐々に再開しているため、売上高の回復を目指すとしています。

【ゲーム事業】

  • 売上高:367億円(4.0%減)
  • 営業利益:75億円(9.5%減)

3Qは2Qに比べて売上高・営業利益ともに減少。

一方で今年上市された新規タイトルが売上を伸ばしているため、累計額では売上高・営業利益ともに増加しています。

年内までにも新規タイトルの上市が予定されており、ファン層の着実な増加を目指すとしています。

株価の推移

3Q決算発表(7月22日)後の株価は、前年同期比より減額したことと、インターネット事業の会員数の伸び悩みが嫌忌され、5,760円(7月27日終値)まで急落しました。

その後国内経済活動の再開に巣ごもり需要の低下が懸念され6,000円を超えない株価で推移。

ところが9月に入り、株価の上昇がみられ10月14日に6,930円の年初来高値を更新。10月16日終値で6,720円を付けています。

ALTalk「サイバーエージェントの指標」より

3. 次回決算の注目ポイント

メインの3事業はともに堅調に推移していると見込まれます。メディア事業は巣ごもり需要をきっかけに認知度が向上し、新規顧客の獲得に繋がっています。

こちらはABEMAのアプリダウンロード数の推移。外出自粛期間以降も堅調に推移しています。

ALTalk「サイバーエージェントの指標」より

また、インターネット広告事業では、経済活動の再開に合わせて業績の回復が見込まれます。

株価の見通し

コンセンサスの引き上げと進捗率の高さが9月に入っての株価上昇につながったとみられます。一方で10月14日の年初来高値更新後、株価の上昇に一服感が見られ調整に入ったと推測されます。

よって10月28日の決算発表にて大幅な増収・増益が見られれば、さらなる株価上昇が見込まれるでしょう。

※これら見解は弊社独自によるものです。皆様の利益を保証するものではないことをご留意ください。

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出前館の決算短信を読み解く(基礎編②-業績の変動要因の特定方法)

こんにちは、Suiです。

前回の続きで「決算短信をどのように読んでいくか」について書いていきたいと思います。基礎編の2回目として、今回も出前館の3Q決算で業績の変動要因を見ていきます。

全体の流れ

(1)増収減益の要因

(2)定性情報の確認

前回の基礎編①では、決算短信の数字の部分をチェックしてきました。今回は業績が変化した要因を見ていきます。

<前回のポイント>

・3Qは前年同期比で増収減益(売上:+40% 営業利益:赤字転落)

・進捗率は未定に変更する前の通期予想に対して売上73.3%、営業利益(赤字)は超過ペース

(1)増収減益の要因

今回の出前館の例で押さえておきたいポイントとして挙げたのが「増収減益」という部分です。

前回記事からの引用)

通常、売上が増加していれば、費用がそれ以上に増加しない限りは増益になる可能性が高いです。今回の出前館で言えば、+40%の増収なのに減益になるのは増収以上にコストが増えた、しかも昨年はぎりぎり営業利益が出ていたのが営業赤字になるほどコストが増加したと解釈できます。

さて、増収減益の要因を詳しく見ていきたいと思いますが、上に書いた通り、コストの部分がどう変化したのかを確認する必要があります。

コスト部分を見るには損益計算書(P/L)のページを確認します。

出前館 2020年8月期 第3四半期 決算短信

3Q短信の6ページにP/Lが記載されています。

営業利益を動かすコストには売上原価と販売費及び一般管理費(販管費)の大きく2つありますが、これらの売上に対する比率(原価率、販管費率)を計算することでどのコストが大きくなったのかを把握できます

<図表1>

まずは売上原価率をみると、前期3Qの38.7%に対し、当期3Qは30.2%と売上原価の比率は低下しています。売上原価が具体的に何を示すのかについては、次回以降の応用編でビジネスモデルの理解と併せて見ていきたいと思います。

販管費率は前期3Qの60.7%に対し、当期3Qは93.3%と大きく上昇しているので販管費が大幅に増加したことが営業赤字になった主な要因と言えます。なぜ販管費が大幅に増加したのかは次の定性情報の確認でチェックしていきます。

これで利益増減の変動要因がコスト面でどこにあるかをP/Lで確認できました。次にその定性的な要因を見ていきますが、一旦ここまでの内容を整理します。

  • 3Qは前年同期比で増収減益(売上:+40% 営業利益:赤字転落)
  • 減益要因は販管費の大幅な増加によるもの

→販管費の増加理由は定性情報を確認する

(2)定性情報の確認

短信の業績部分から定量情報をまずは確認しました。次にその背景となる定性情報を確認していきます。

定性情報に関しては、まず決算短信のコメント部分に記載がないかチェックします。また、企業によりますが、決算説明資料で説明される場合もあるので決算説明資料の確認も必要です。同様に決算説明会で口頭による説明がされる場合もあります。

それでは出前館の決算短信を見ていきます。

<図表2>

売上に関する説明は、外出自粛による新規加盟の増加やエリア拡大などの説明がされていますが(青色部分)、費用に関する説明は「積極的な事業展開と投資実行」としか記載されていません(黄色部分)。短信の説明は企業によって丁寧に書かれていたり、出前館のように一言で説明されていたりとバラバラです。

ちなみに応用編では、ビジネスモデルと併せてさらに決算の理解を深める予定ですが、ビジネスモデルが理解できていると直接的な理由が記載されていない場合でも、他の情報からある程度の推測ができるようになったりします。

話を戻しますと、決算短信に記載が無い場合には決算資料など他の情報に記載がないかを探します。しかし、3Qでは説明会資料が開示されていないため、その直前の2Q決算資料を参考に確認してみます。

前回の基礎編①でも説明しましたが、2Qの業績は9月から2月までの6カ月間になります。

2Qの決算資料を見ると2Q時点で既に大きく販管費が増加していることが分かりますが、その理由としては広告宣伝費増加との記載がされています。

<図表3>

また、決算資料ではその販管費の内訳がスライドで説明されており、広告宣伝費、人件費ともに大幅に増加しています。販管費の内訳は大きくこの3つに分けて記載や説明がされる場合もあるので、短信と説明会資料を確認してみてください。

ちなみに、会社によりますが比較的上半期(2Q)や通期(4Q)の決算では詳細な説明がされることが多い印象がありますので、少し前の上半期や通期の資料まで遡ると情報が見つかるかもしれません。

<図表4>

広告宣伝費の大きな増加に関しては、テレビ広告などを増やしたり投資の側面が強いですが、人件費に関しては投資的に増加させたのか、売上と連動してコスト的に増加したのかが会社のビジネスモデルによって変わる場合があります。

したがって、次回以降の応用編で詳しく見ていきますが、ビジネスモデルが理解できていると、「業績の変化がどのような戦略をとった結果なのか」が見えてきます。

営業利益の増減分析の方法として、基礎的な見方は以上です。

基礎編としては、まず売上・利益の増減を確認し、その要因を理解するというのが決算では重要になります。

決算短信のサマリーでまず数字を確認し、増益・減益の要因を①原価率、販管費の比率から定量的に確認する、②原価、販管費がなぜ増減したのかを定性的な要因を確認する、の2点を決算短信や他の資料から確認していきましょう。

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PER1,000倍超!弁護士ドットコムの株価はさらに伸びる?成長部門と安定部門の舵取りに注目

主力事業である法律相談ポータルサイト「弁護士ドットコム」に加え、税務相談ポータルサイト「税理士ドットコム」やクラウド型電子契約サービス「クラウドサイン」を擁し順調に売上を伸ばしてきた弁護士ドットコム(6027)。株価も上昇一途の絶好調、投資家の熱い視線が注がれている銘柄です。

この3年で法律相談ポータルサイトの一本から新規事業の育成による売上分散が進展したものの、成長部門を支える安定部門にかすかな影が差しているようにも見えます。第2四半期決算で注目すべき点を取り上げました。

目次

  1. 第1四半期では売上高は前年同期比24.0%増、利益を圧縮し攻めの投資へ
  2. 事業セグメントによる売上分散が進展
  3. 事業環境はクラウドサインに順風、法律相談ポータルに逆風
  4. 【まとめ】株価の上昇期待を支えるクラウドサインの増収と月間サイト訪問者数の下げ止まりが焦点

第1四半期では売上高は前年同期比24.0%増、利益を圧縮し攻めの投資へ

2020年10月に予定されている弁護士ドットコムの21年3月期の第2四半期決算に先立ち、第1四半期までの主な経営指標と事業展開、注目すべきポイントについておさらいしておきましょう。

2020年7月27日に発表された21年3月期の第2四半期決算(2020年4月1日~6月30日)では、売上高が11億6,000万円、前年同期比24.0%増と好調なのに対し、営業利益は700万円で前年同期比95.9%減、経常利益は800万円で前年同期比95.4%減となっています。

売上は順調な伸びを示していますが、事業拡大に伴う社員数の増員とクラウドサイン事業のテレビCM実施といった攻めの投資を行い、一時的な減益となりました。

21年3月期の非連結業績予想は、売上高が52億円(前期比25.8%増)と前回予想を据え置きました。

第1四半期決算発表時点(7月27日)で株価は10,250円、時価総額は約2,282億円でしたが、10月20日時点で株価は15,350円、時価総額は約3,417億円と大幅な上昇をみせています。

ALTalk「弁護士ドットコムの指標」より

事業セグメントによる売上分散が進展

弁護士ドットコムの事業は以下のセグメントで構成されています。

「弁護士マーケティング支援」は、祖業である法律相談ポータルサイト「弁護士ドットコム」(以下「法律相談ポータル」)のうち弁護士への集客支援・情報支援・業務支援サービスの売上です。

法律相談ポータルの個人法律相談を利用する会員からの売上が「弁護士ドットコム有料会員」です。

「クラウドサイン」は契約締結から管理まで可能なクラウド型の電子契約サービスです。

「税理士マーケティング」は税務相談ポータルサイト「税理士ドットコム」に登録する税理士会員からの売上です。

「広告その他」は主に「弁護士ドットコム」「税理士ドットコム」上の広告売上からなっています。

「弁護士マーケティング支援」「弁護士ドットコム有料会員」を合計した法律相談ポータルからの売上が全体の62.3%を占めています。2018年同期では法律相談ポータルからの売上が全体の87.2%を占めており、この3年間で事業セグメントによる売上分散が順調に進んでいることがわかります。

当期では売上のおよそ半分を占める「弁護士マーケティング支援」は13.8%増と堅調。新型コロナウイルスや国の政策といった事業環境の変化から注目を集めている「クラウドサイン」は113.0%増とめざましい成長を見せました。

事業環境はクラウドサインに順風、法律相談ポータルに逆風

法律相談ポータルの売上のうち「弁護士ドットコム有料会員」は、月間サイト訪問者数と一定の相関が見られます。

Googleアルゴリズムのアップデートにより、検索を経由した弁護士ドットコムのサイト訪問が減少しています。2020年第2四半期付近で最多である月間約1,700万人の流入があって以降、下落の一途をたどり2020年6月には1,012万人と、4割近い減少となっています。

この間に「弁護士ドットコム有料会員」の売上は20年第4四半期と比べて9.5%減となり、ゆるやかではあるものの訪問者数と足並みをそろえ減少傾向にあります。

以下のALTalkのデータを見ても、2020年7月以降のWeb訪問数は減少しており、売上の推移が気がかりです。

ALTalk「弁護士ドットコムの指標」より

一方、成長部門であるクラウドサインを取り巻く事業環境には強い追い風が吹いています。

電子契約普及に向けた政府による急速な法整備が進展し、2021年のデジタル庁新設に向け検討が進んでいます。これに加え、新型コロナウイルスの感染拡大による社会的なテレワーク推進の動きを契機にクラウドサインの導入企業数は大きく伸び、事業の成長スピードが加速しています。

弁護士ドットコムはこれを機に電子契約書データを自動管理する『クラウドサインAI』の提供を開始。電子契約サービスの機能強化を積極的に進めています。クラウドサイン部門の2021年第4四半期の売上高は前期比の2倍強を目指しています。

【まとめ】株価の上昇期待を支えるクラウドサインの増収と月間サイト訪問者数の下げ止まりが焦点

2021年第1四半期決算から、注目すべきは売上の核となる「法律相談ポータル」と「クラウドサイン」の成長であることがわかりました。

まずは目下の成長部門であるクラウドサインの伸びに注目です。前期の利益を圧縮して行ったCMの効果と、経営陣の見通しをあわせて確認しておきましょう。

クラウドサイン部門の成長原資となる法律相談ポータルの売上についてもチェックが必要です。

月間サイト訪問者数が大きく減少しながらも「弁護士ドットコム有料会員」の売上高の減少幅が少ないのは、おそらくは一定層の固定客をつかんでおり、顧客の入れ替わりの部分がゆるやかに減少していることを示していると考えます。

月間サイト訪問者数の減少はすでに1年以上にわたって続いています。直近の3四半期で「弁護士マーケティング支援」は毎期3%前後の売上成長で安定していますが、「弁護士ドットコム有料会員」の売上高が2.4%減(20年第4四半期)から5%減(21年第1四半期)へと下げ幅が広がっていることが気がかりです。

この傾向が続くと「弁護士ドットコム有料会員」の売上減少が「弁護士マーケティング支援」の成長分を相殺してしまう展開も考えられます。

事業の核である法律相談ポータルの売上がクラウドサインのマーケティングのカギを握っています。経営陣の対応に注目です。

弁護士ドットコムの株価指標を見ておきましょう。

成長株への投資では、配当の原資や利益は投資に回し事業拡大を目指すフェーズであるため、PSR(株価売上高倍率/時価総額を年間売上高で割った数値)という指標を参考にすることが多いのですが、弁護士ドットコムのPSRは82.11倍と評価されています。

株式投資のセオリーで考えればこの先数十年分の成長が株価に織り込まれていることになるので、ここまで極端な数値の場合は短期、長期のいずれにしても参考にはなりづらいです。

弁護士ドットコムについては、売上成長のコンセンサスを確認しながら、株価のモメンタム(勢い)の継続を細かくチェックしつつのホールドが望ましいと考えます。

ALTalkでは、弁護士ドットコム以外にも、インターネット系銘柄を中心に約50銘柄を掲載していますので、ぜひ登録してご覧ください。

免責事項

※記載されている情報は、正確かつ信頼しうると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性または完全性を保証したものではありません。予告なく変更される場合があります。また、資産運用、投資はリスクを伴います。投資に関する最終判断は、ご自身の責任でお願いいたします。

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宅飲みやECは定着した?クレジットカードデータから浮かび上がるWithコロナ時代の生活様式

 10月から「Go To トラベルキャンペーン」に東京も追加され、ネット上でも同キャンペーンを利用した人たちの投稿を目にする機会が増えました。実際に街を歩いてみても、一部繁華街だけではあるものの、人出が戻ってきている印象を受けます。とはいえ、印象で経済を語るのもおかしいですから、データに基づいて実際にはどうなのかを確認しましょう。

 経済指標だとデータが古いので、本稿ではオルタナティブデータを活用します。株式会社ジェーシービー(以下:JCB)と株式会社ナウキャスト(以下:ナウキャスト)は、匿名加工されたJCBのクレジットカードの取引データを活用して、現金も含むすべての消費動向を捉える国内消費動向指数「JCB消費NOW」を提供しています。

データにも人出の回復が反映されている

 繁華街に人出が戻ってきたことを確認するために、外食産業における消費指数を見てみましょう。緊急事態宣言が発令された4月、5月は大きく減速していますが、そこから回復傾向にあることが分かります。

8月に一時的に回復傾向が鈍化しているのは新型コロナウイルスの感染者数が増加し、第二波が訪れたことで、各自が外出を自粛したことが大きく影響したからです。

また、9月後半では回復速度が上昇しているのは、東京都が23区内の飲食店やカラオケに要請していた22時までの時短営業を解除した影響と考えられます。

 このデータに基づけば、繁華街を中心に人出が戻ってきたというのは印象論だけではなく、事実であるということが言えそうです。

居酒屋には若者が戻ってきた

 オルタナティブデータは速報性に強みがあるため、現時点で既に9月末までのデータが確認できるのですが、更新頻度の多さも強みの1つです。1か月を前後半に分けて分析したり、ば性別や年代でも区切ってデータを確認することが出来ます。

 先程は外食産業を見てみましたので、今度は居酒屋業界について見てみます。まず性別で見てみると、男性の方が居酒屋での消費が戻っていることが分かります。コロナ前は男女の消費指数の伸び率にそこまでの差がなかったことを考えると、コロナ禍で頻繁に行われた「宅飲み」が女性には定着した一方で、男性は実店舗で飲む方が好きということかもしれません。

 また、年代別で見ると、居酒屋の時短営業が終わった9月後半が顕著ですが、若者ほど居酒屋に回帰しています。やはり、新型コロナウイルスの重症リスクや死亡リスクが歳を重ねるほど高くなるというデータに基づいて、高齢な方たちほど依然として外出・外食を控えている可能性があります。

ECは必ずしも全員に普及しなかった?

 宅飲み以外にも、コロナ禍ではEC利用が急増したことが特筆すべきポイントですが、この点には何か変化が生じているのでしょうか?

グラフを見てみると、外食や居酒屋の利用が回復した9月後半にECを通じた消費が大きく減速していることが分かります。

 さらに、9月後半のECの消費指数を年代別に見てみましょう。60歳を1つの区切りとして、前年同月比での伸び率がプラスとマイナスで分かれています。コロナの感染拡大に伴い外出を自粛して自宅で過ごす時間が増えた結果、全世代でECによる消費指数はずっと伸び続けていたのですが、ついにマイナスとなる年代が出てきたのです。

 巣篭りしていてもSNSやアプリでコミュニケーションが取れる若年層に対して、高齢者はコミュニケーションがとれなくなっていた我慢が限界に来たのかもしれません。外食もするなら、実店舗で買い物もしようということなのでしょう。

巣篭りから屋外活動へ

 ただし、若い層でも行動変容が確認されます。巣篭り生活の強い味方といえば動画配信などを含むコンテンツ配信ですが、こちらはほとんどの世代で徐々に伸び率が鈍化していることが分かります。

 外で食事をしたり、娯楽を楽しむ人が増えたことで、これまでコンテンツ配信に使っていた時間が奪われていったと考えられます。

 このようにオルタナティブデータを活用すれば、なるべく現実に近い時期のデータを細かくセグメント分けして確認することが出来ます。日本ではデジタル庁の創設が話題になりましたが、ぜひ日本でも多種多様なオルタナティブデータが誕生し、経済の分析結果がより精緻になることを期待しています。

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Googleキーワード検索数が1年で最も伸びた銘柄は?

「世の中のトレンドを表す鏡」と言われるGoogleキーワード検索数。

今回の記事では「”銘柄名”  株価」のGoogleキーワード検索数の推移を切り口に、この1年で注目度が上昇した銘柄を見てみます。

Googleキーワードプランナーを利用し、ALTalkに掲載中のインターネット系51銘柄を対象に、2019年8月から2020年8月の検索数の変化率が大きい銘柄を順に並べました。

トップ3はあの話題の銘柄

早速結果を見てみましょう。

1位:チェンジ:2,900回→40,500回(1396.6%)
2位:ミンカブ・ジ・インフォノイド:1,000回→12,100回(1210.0%)
3位:GMOクラウド:1,300回→14,800回(1138.5%)
※2020年9月より「GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社」に変更

4位以下はこちらのキャプチャをご覧ください。

また、Google検索数と株価の推移を比べてみると、似たような推移をしていることが分かります。

1位:チェンジ

2位:ミンカブ・ジ・インフォノイド

Googleファイナンスより引用

3位:GMOクラウド(現GMOグローバルサイン・ホールディングス)

最も検索数が伸びた銘柄「チェンジ」

2020年8月12日に発表された2020年9月期第3四半期累計の業績は、

・売上  :+64.4%
・営業利益:+306.8%
・経常利益:+377.5%

といずれも大きく成長しました。

通期の業績予想についても、

・売上  :105.0億 → 110.0億
・営業利益:261.9億 → 340.0億
・経常利益:262.3億 → 340.5億

と大幅に上方修正をしました。

業績を牽引したセグメントは、以下2つです。

・NEW-ITトランスフォーメーション事業:21.4億(前年同期比7.5%増)
・パブリテック事業:66.2億(前年同期比122.2%増)

NEW-ITトランスフォーメーション事業はデジタル人材の育成研修を通してデジタルトランスフォーメーションを促進する事業。withコロナ時代に最適化したデジタルシフト支援サービスの拡充や、投資余力のある法人企業や官公庁セクター案件の獲得に注力したことで、増収を実現したとのこと。

パブリテック事業は「ふるさとチョイス」という日本最大のふるさと納税プラットフォームビジネスを主力事業としています。コロナ対策のプロジェクトを多数企画・実行した結果、取り扱い寄付額が好調に推移したとのこと。

DXやふるさと納税事業は、菅義偉総理大臣が推進する政策の一つであり、チェンジはいわゆる“菅関連銘柄”。株価や検索回数の推移を見ると、首相交代前後で大きく期待が集まっていることが分かります。

参考資料

免責事項

記載されている情報は、正確かつ信頼しうると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性または完全性を保証したものではありません。予告なく変更される場合があります。また、資産運用、投資はリスクを伴います。投資に関する最終判断は、ご自身の責任でお願いいたします。