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PER1,000倍超!弁護士ドットコムの株価はさらに伸びる?成長部門と安定部門の舵取りに注目

主力事業である法律相談ポータルサイト「弁護士ドットコム」に加え、税務相談ポータルサイト「税理士ドットコム」やクラウド型電子契約サービス「クラウドサイン」を擁し順調に売上を伸ばしてきた弁護士ドットコム(6027)。株価も上昇一途の絶好調、投資家の熱い視線が注がれている銘柄です。

この3年で法律相談ポータルサイトの一本から新規事業の育成による売上分散が進展したものの、成長部門を支える安定部門にかすかな影が差しているようにも見えます。第2四半期決算で注目すべき点を取り上げました。

目次

  1. 第1四半期では売上高は前年同期比24.0%増、利益を圧縮し攻めの投資へ
  2. 事業セグメントによる売上分散が進展
  3. 事業環境はクラウドサインに順風、法律相談ポータルに逆風
  4. 【まとめ】株価の上昇期待を支えるクラウドサインの増収と月間サイト訪問者数の下げ止まりが焦点

第1四半期では売上高は前年同期比24.0%増、利益を圧縮し攻めの投資へ

2020年10月に予定されている弁護士ドットコムの21年3月期の第2四半期決算に先立ち、第1四半期までの主な経営指標と事業展開、注目すべきポイントについておさらいしておきましょう。

2020年7月27日に発表された21年3月期の第2四半期決算(2020年4月1日~6月30日)では、売上高が11億6,000万円、前年同期比24.0%増と好調なのに対し、営業利益は700万円で前年同期比95.9%減、経常利益は800万円で前年同期比95.4%減となっています。

売上は順調な伸びを示していますが、事業拡大に伴う社員数の増員とクラウドサイン事業のテレビCM実施といった攻めの投資を行い、一時的な減益となりました。

21年3月期の非連結業績予想は、売上高が52億円(前期比25.8%増)と前回予想を据え置きました。

第1四半期決算発表時点(7月27日)で株価は10,250円、時価総額は約2,282億円でしたが、10月20日時点で株価は15,350円、時価総額は約3,417億円と大幅な上昇をみせています。

ALTalk「弁護士ドットコムの指標」より

事業セグメントによる売上分散が進展

弁護士ドットコムの事業は以下のセグメントで構成されています。

「弁護士マーケティング支援」は、祖業である法律相談ポータルサイト「弁護士ドットコム」(以下「法律相談ポータル」)のうち弁護士への集客支援・情報支援・業務支援サービスの売上です。

法律相談ポータルの個人法律相談を利用する会員からの売上が「弁護士ドットコム有料会員」です。

「クラウドサイン」は契約締結から管理まで可能なクラウド型の電子契約サービスです。

「税理士マーケティング」は税務相談ポータルサイト「税理士ドットコム」に登録する税理士会員からの売上です。

「広告その他」は主に「弁護士ドットコム」「税理士ドットコム」上の広告売上からなっています。

「弁護士マーケティング支援」「弁護士ドットコム有料会員」を合計した法律相談ポータルからの売上が全体の62.3%を占めています。2018年同期では法律相談ポータルからの売上が全体の87.2%を占めており、この3年間で事業セグメントによる売上分散が順調に進んでいることがわかります。

当期では売上のおよそ半分を占める「弁護士マーケティング支援」は13.8%増と堅調。新型コロナウイルスや国の政策といった事業環境の変化から注目を集めている「クラウドサイン」は113.0%増とめざましい成長を見せました。

事業環境はクラウドサインに順風、法律相談ポータルに逆風

法律相談ポータルの売上のうち「弁護士ドットコム有料会員」は、月間サイト訪問者数と一定の相関が見られます。

Googleアルゴリズムのアップデートにより、検索を経由した弁護士ドットコムのサイト訪問が減少しています。2020年第2四半期付近で最多である月間約1,700万人の流入があって以降、下落の一途をたどり2020年6月には1,012万人と、4割近い減少となっています。

この間に「弁護士ドットコム有料会員」の売上は20年第4四半期と比べて9.5%減となり、ゆるやかではあるものの訪問者数と足並みをそろえ減少傾向にあります。

以下のALTalkのデータを見ても、2020年7月以降のWeb訪問数は減少しており、売上の推移が気がかりです。

ALTalk「弁護士ドットコムの指標」より

一方、成長部門であるクラウドサインを取り巻く事業環境には強い追い風が吹いています。

電子契約普及に向けた政府による急速な法整備が進展し、2021年のデジタル庁新設に向け検討が進んでいます。これに加え、新型コロナウイルスの感染拡大による社会的なテレワーク推進の動きを契機にクラウドサインの導入企業数は大きく伸び、事業の成長スピードが加速しています。

弁護士ドットコムはこれを機に電子契約書データを自動管理する『クラウドサインAI』の提供を開始。電子契約サービスの機能強化を積極的に進めています。クラウドサイン部門の2021年第4四半期の売上高は前期比の2倍強を目指しています。

【まとめ】株価の上昇期待を支えるクラウドサインの増収と月間サイト訪問者数の下げ止まりが焦点

2021年第1四半期決算から、注目すべきは売上の核となる「法律相談ポータル」と「クラウドサイン」の成長であることがわかりました。

まずは目下の成長部門であるクラウドサインの伸びに注目です。前期の利益を圧縮して行ったCMの効果と、経営陣の見通しをあわせて確認しておきましょう。

クラウドサイン部門の成長原資となる法律相談ポータルの売上についてもチェックが必要です。

月間サイト訪問者数が大きく減少しながらも「弁護士ドットコム有料会員」の売上高の減少幅が少ないのは、おそらくは一定層の固定客をつかんでおり、顧客の入れ替わりの部分がゆるやかに減少していることを示していると考えます。

月間サイト訪問者数の減少はすでに1年以上にわたって続いています。直近の3四半期で「弁護士マーケティング支援」は毎期3%前後の売上成長で安定していますが、「弁護士ドットコム有料会員」の売上高が2.4%減(20年第4四半期)から5%減(21年第1四半期)へと下げ幅が広がっていることが気がかりです。

この傾向が続くと「弁護士ドットコム有料会員」の売上減少が「弁護士マーケティング支援」の成長分を相殺してしまう展開も考えられます。

事業の核である法律相談ポータルの売上がクラウドサインのマーケティングのカギを握っています。経営陣の対応に注目です。

弁護士ドットコムの株価指標を見ておきましょう。

成長株への投資では、配当の原資や利益は投資に回し事業拡大を目指すフェーズであるため、PSR(株価売上高倍率/時価総額を年間売上高で割った数値)という指標を参考にすることが多いのですが、弁護士ドットコムのPSRは82.11倍と評価されています。

株式投資のセオリーで考えればこの先数十年分の成長が株価に織り込まれていることになるので、ここまで極端な数値の場合は短期、長期のいずれにしても参考にはなりづらいです。

弁護士ドットコムについては、売上成長のコンセンサスを確認しながら、株価のモメンタム(勢い)の継続を細かくチェックしつつのホールドが望ましいと考えます。

ALTalkでは、弁護士ドットコム以外にも、インターネット系銘柄を中心に約50銘柄を掲載していますので、ぜひ登録してご覧ください。

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By 個人投資ジャーナリスト

ファイナンシャルプランナー・キャリアコンサルタント。
常に10年先を見据え一般庶民の資産形成に役立つ最新の情報や投資手法を発信している。20年来の賃金停滞とAI/ロボットによる雇用代替・富の集中は進むので、労働者が株を買うのは必須の「ヘッジ」であり「保険」であると考えている。個人的な投資はファンドを利用した長期バリュー投資が中心。
ツイッター:@kujiraya_fp

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