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日本経済は再びデフレに突入か?制度変更が物価に与える影響を確認

 総務省が11月20日に発表した10月の全国消費者物価指数(CPI)は「総合」が前年同月比-0.4%、「生鮮食品を除く総合」が同-0.7%、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」は同-0.2%となりました。

 3指数が全て前年同月比でマイナスの伸びとなるのは2013年4月以来のことです。特に「生鮮食品を除く総合」のマイナス幅(前年同月比-0.7%)は2011年3月以来のマイナス幅となっています。

制度の変更などによって大きく動く物価

 前回の物価に関する記事では、以下のような文章で締めくくりました。

10月のデータではどの品目がどのような価格変動を見せるのかを今から予想してみましょう。次回の記事で答え合わせが出来ればいいなと思います。

 さて、前述の通り、10月の消費者物価指数は日本経済がデフレに再突入したことを確信させるほど非常に弱い内容となりました。なぜこのような結果になったのでしょうか?また、何が物価に大きく影響を与えたのでしょうか?今回は1つずつ確認していきましょう。

 まず、最初に考えられるのは、昨年の10月に引き上げられた消費税の影響が剥落したということ。ただし、経過措置の関係で新しい消費税率の適用が11月以降になった品目は来月以降に影響が出ます。また、同時に実施された幼児教育の無償化の影響も剥落します。この消費増税と幼児教育の無償化の影響一巡によって、物価上昇率は前年同月比で0.2%程度押し下げられたと計算されます。

私たちの消費に大きな影響を与えた制度変更

 10月はその他にも様々な制度変更がありました。ここでは大きな3点を紹介しましょう。1点目は「Go To トラベルキャンペーン」に東京が追加されたことです。「宿泊料」は前年同月比-37.1%と同キャンペーンが実施されて以降、最も大きなマイナス幅を記録しました。

 2点目は10月1日から酒税が変更されたことです。こちらは少し変更内容が複雑で、酒類が全て増税になった訳ではありません。大まかに説明すると、ビールと日本酒は減税され、発泡酒、第三のビール、チューハイ・サワー、ワインは増税となりました。実際、10月の消費者物価指数を品目別に見てみると、10月は種類ごとに価格の変動が大きく生じていることが分かります。

 3点目はたばこ税の変更です。たばこ1本当たり1.0円(たばこ税0.500円、道府県たばこ税0.070円、市町村たばこ税0.430円)の引き上げとなりました。こちらは全て増税対応となりますので、同じく品目別でみてみると、国産品、輸入品ともにたばこの価格は10月に上昇しています。

物価の変動を先読みして変容する消費行動

 このように10月は制度変更の影響による価格変動が多く生じたのですが、それに応じて私たち消費者の消費行動も変容します。ここで、ナウキャスト社が提供している「日経CPI Now」のデータを用いて、行動変容を見ていこうと思います。日経CPI Nowでは、全国の食品スーパー1200店舗のPOS(販売時点情報管理)データを基に日次の物価や売上高を算出しています。

 品目別の日次売上高を見てみると、酒類では増税の数日前から増税対象の発泡酒やワインに対して駆け込み需要が発生したことが確認できます。

デフレに再突入した日本経済

 これまで見てきたように、今年の10月分の消費者物価指数は非常に多くの変動要因がありました。しかし、最も注目すべきことは、冒頭で説明した通り、日本経済がデフレに再突入したことを確信させるほど非常に弱い内容となったことでしょう。現時点では総務省による「デフレ」という言葉を使った説明は出ていませんが、データだけを見れば既にデフレに再突入したと言っても過言ではないでしょう。なぜなら、消費増税や幼児教育の無償化の影響を調整した指数では既に前年同月比でマイナスを何か月も続けていたからです。

 一時、原油市場が急落したことがあり、その影響が時差をもって日本の消費者物価指数にマイナスの影響を与えており、今後は原油市場の持ち直しが物価にプラスに作用するという見通しがあるため、まだデフレという話が出てきていないのかもしれませんが、日本では新型コロナウイルスの第三波が確認されており、これによって経済活動が再び委縮し、結果として物価にもマイナスの効果を与える可能性は十分あるため、少なくとも個人投資家は日本経済が既にデフレに再突入しているという認識は持った方が良いでしょう。


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【フリー】調整時に狙いたい成長期待銘柄として注目

▽市場平均予想(単位:百万円)

※株価8,150円(2020年11月16日現在)で計算
※市場平均予想とは、予想を出している証券会社の予想の平均です。

目次

  1. 会社概要:クラウド会計ソフト「freee」を柱にバックオフィス領域の生産性向上を支援
  2. クロスセルチャンスの多いストック型ビジネスモデル
  3. 業績:顧客増各種施策が奏功、大幅増収と大幅赤字縮小を達成。ARR、売上高ともに49%という高い成長
  4. 【総合評価:☆☆☆☆】中長期的成長を見据え、調整時は狙いたい

1. 会社概要:クラウド会計ソフト「freee」を柱にバックオフィス領域の生産性向上を支援

バックオフィスの生産性向上に寄与するクラウドERPサービスを総合的に展開しています。

柱となる事業は、「クラウド会計ソフトfreee」。中小企業・個人事業主向けのサービスで、請求書など従来手入力が必要な取引情報を自動化し、経理や決算業務の効率化を支援する内容となっています。
(具体的には、例えば、銀行口座やクレジットカードとデータ連携することで、リアルタイムで入出金を記録し、自動で勘定の仕分けをしてくれるなどの機能があります。)

この「クラウド会計ソフトfreee」は2013年のリリースから順調にユーザー基盤を拡大させ、2018年3月には導入事業所数が100万を突破しました。総務省によると事業所は国内に約600万存在するので、これによると、日本の6社に1社が「freee」を使っていることになります。リリース以降、国内クラウド会計市場(従業員数300名未満の企業・個人事業主)ではトップシェアを維持し続けています(2017年度では35.2%)。

同社はこのクラウド会計ソフトを主軸に、勤怠管理や給与計算などを行う「人事労務freee」、会社設立に必要な書類をオンライン上で作成できる「会社設立freee」、会計事務所向けの税務申告ソフト「申告freee」、福利厚生制度の導入に係るバックオフィス業務を効率化する「福利厚生freee」などを展開しています。

ちなみに「freee」はクラウド給与計算ソフト市場で約40%のトップシェアを獲得しています(MM総研調べ、2016年3月より)。

2.クロスセルチャンスの多いストック型ビジネスモデル

これら製品は、データ連携することで付加価値が高まる構造となっていることが注目されます。

というのも、例えば「資金調達freee」や「開業freee」、「会社設立freee」の利用後、「クラウド会計ソフトfreee」や「人事労務freee」などほかのツールを使うという流れが創造されていて、クロスセルや継続利用の基盤となっているからです。

同社の主な収益源は、顧客からのサービス利用料。サブスクリプション売上比率が90%を超える正真正銘のSaaS企業です。ストックとなるユーザー基盤は拡大を続けており、有料課金ユーザー数は、2018年6月期末の11万5,808件→19年6月期末の16万132件→20年6月期末の22万4,106件→21年6月期の第1四半期末には23万件を突破しました。

このユーザー基盤上で、クロスセルやアップセルが見込める収益構造となっているのです。

そのため、ARPU(1ユーザー当たり平均単価)は18年6月期末で2万5,786円→21年6月期の第1四半期末で3万6,645円まで大きく上昇しています。一方、12ヵ月平均解約率は2.2%(18年6月期)→1.6%(20年6月期)まで低下しています。

この結果、ARR(毎年決まって得られる収益:年間経常収益)は18年6月期末の29億8,600万円→19年6月期末に52億7,300万円→20年6月期末には78億9,800万円まで拡大。同時に売上高はCAGR(売上高年平均成長率)70%で拡大しています。

また、同社のサービス料金は、1社当たりの使用料に加え、1ID当たりの料金(ユーザーにIDを付与している)も設定されており、企業が成長して従業員数が増えるほど、自然と単価が上がる形となっています。

(ちなみに、個人事業主や小規模企業だった顧客が上場を考えるまで成長している、という事例もあり、同社はそうした企業の成長に合わせ、2017年に「創業から上場まで使えるfreee」として「エンタープライズプラン」をリリースしました。このプランは2019年時点で、有力スタートアップと呼ばれる未上場企業で資金調達金額トップ100社のうちすでに41社が利用していると言います。)

ALTalkの指標を見てみると、web訪問数はこの半年だけでも右肩上がりで増え続けています。

ALTalk「フリーの指標」より

3.業績:顧客増各種施策が奏功、大幅増収と大幅赤字縮小を達成。ARR、売上高ともに49%という高い成長

2021年6月期第1四半期の業績は、ダイレクトセールスの組織拡大や金融機関などとの連携強化、主要サービスの機能改善などが奏功し、売上高は前年同期比49.2%増の22億2,500万円に大幅拡大しました。

こまかい指標について見ると、第1四半期のARR(各月末時点における継続課金ユーザーの月額料金の合計額×12ヵ月)は、前年同期末比49.0%増の85億5,000万円となりました。

ARRを分解した有料課金ユーザー企業数とARPUについても右肩上がりで成長を続けています。

第1四半期末時点の有料課金ユーザー企業数は、個人とSmallセグメントを中心に堅調に増加し、前年同期比39.0%増の23万3,341件となりました。

一方、ARPU(有料課金ユーザー当たりの平均単価)は、7.2%増の3万6,645円となりました。単価成長が鈍化したようにも見えますが、これはMid層のセールスサイクルが長期化していることや、単価の低い個人事業主・Smallセグメントにおける顧客増が好調に推移したためです。

売上総利益は51.4%増の18億300万円、売上総利益率は1.2%ポイント上昇して81.1%となりました。同社は個人事業主およびSmallセグメントの顧客増に対応するため、この1Qからカスタマーサポートのキャパ増強に着手しました。この影響が利益面に出るとの懸念もありましたが、増収効果が大きかったことに加え、完了したキャパ増強が限定的だったため、粗利増を維持することができたようです。

そして営業利益以下については、引き続き赤字です。ただサブスクリプション売上が順調に積み上がっていることから、赤字幅は縮小。営業利益は2億7,200万円の赤字(前年同期は4億8,600万円の赤字)、経常利益は2億6,800万円の赤字(同4億8,800万円の赤字)、純利益は2億7,100万円の赤字(同4億9,000万円の赤字)となりました。

なお、株式報酬費用とM&Aによる無形資産償却費用などを差し戻した調整後営業利益は2億6,900万円の赤字(前年同期は3億9,500万円の赤字)、調整後営業利益率は、前年同期から14.4ポイントの大幅な改善を達成しています。

いずれの利益段階においても赤字幅が大きく縮小しており、改めて事業の好調が確認されたと言えます。

通期計画については、売上高と調整後営業利益のみの開示となっており、売上高は前年比40.1%増の96億5,700万円、調整後営業利益は22億1,200万円の赤字の見込みとなっています。第1四半期の売上実績は通期計画に対して過達ペースとなっており、営業損益では引き続き赤字の縮小が見込まれます。

4.【総合評価:☆☆☆☆】中長期的成長を見据え、調整時は狙いたい

赤字経営ではありますが、自己資本比率は74.1%、有利子負債はゼロ。さらに現金等に約150億円保有しており、流動比率は約3.8倍と非常に強い財務基盤を持っています。

同社は上場前から、クラウド型会計ソフトという成長ポテンシャルの大きさが海外機関投資家を中心に評価され、ベンチャーキャピタルや企業から広く資金を調達することに成功しました(現在でも株主の54.9%を海外機関投資家が、11.1%を国内法人・機関投資家が構成する機関投資家比率の厚い株主構成となっています)。その資金を基盤に成長投資を続けています。まだ成長投資が先行している段階のため、赤字経営が続いている状態です。

一方、機関投資家の見立て通り、事業基盤は着実に拡大。売上は2015年6月期から2019年6月期までの4年間で、CAGR(売上高年平均成長率)が100%を超えるなど、高い成長を遂げています。

足元の業績では、赤字幅が大幅に縮小するなど、良い兆候が確認されており、引き続き、成長が期待されます。

現状、中小企業や個人事業主のバックオフィス領域では、大半がオンプレミス型やインストール型のソフトウェアが使われているとされますが、昨今のデジタルトランスフォーメーションの流れから、会計ソフトや給与計算ソフトも他の領域のようにデジタル化されていくことが予想されます。

実際、国全体でデジタル化の流れが強まっており、例えば今年(2020年)度から青色申告を電子申告で行えば10 万円の所得控除が受けられるようになりました。この事例だと、同社製品は直接申告ができるというかなり利便性の高い特徴を持っており、デジタル化の恩恵を享受する立場にあります。こうした手続き上のデジタル化の流れは今後一層強くなることが予想され、同社の中長期的な成長ポテンシャルは大きいと言えます。もちろん他社製品からの乗り換え需要も獲得していく構えで、主軸の「クラウド会計ソフトfreee」を軸にバックオフィス領域全体の業務効率化につながるさらに利便性を高める製品を開発、発売しています。

2012年の創業来、クラウド会計ソフトをはじめとする業務効率化サービスを提供して成長を遂げてきた同社。2018年には企業ミッションを「スモールビジネスを、世界の主役に。」に、さらには「AIが中小企業のCFOになる」と宣言し、2019年には「資金繰り改善ナビ」をリリース。バックオフィス領域を繋げて企業成長に導く企業を志向しているよう。

最近では、エンタープライズプランの成功やAPI開放など、企業間取引の領域にも進出しており、ターゲット層の拡大もトップライン押し上げに寄与していくことが期待されます。マネーフォワードと競合しますが、請求書や経費精算と一気通貫でデータがつながることで、自動的に会計帳簿に必要なデータが集まり、逆に会計帳簿から一つ一つの取引のレベルまで遡って分析をしたりもできる統合性が武器となりそう。

株価ですが、2019年の12月にマザーズ市場に上場を果たして以降、IPO銘柄としては急騰後急落するということもなく、右肩上がりで推移しています。ただ、PSR(株価売上倍率)は40倍を超えており、過熱感は否めません。


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参考資料

2021年6月期 第1四半期 決算説明資料

2021年6月期 第1四半期 決算短信

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FY2020通期決算から今後の展望を読み解く|サイバーエージェント

2020年10月28日、サイバーエージェント(4751)が通期の決算を発表しました。会社予想を上回る数値でしたが、市場はそれ以上の期待を持っていたようです。一方で同社は日本を代表する企業へと成長する布石を敷く戦略を掲げています。

まずは同社の業績をおさらいしてみましょう。

新型コロナウィルスによる経済活動停止での落ち込みにもかかわらず、売上高は過去最高を更新しました。利益も全て前年を上回る結果です。さらに売上高と営業・経常利益に関しては第3四半期での会社予想を超えています。

続いてセグメント別の業績です。

【インターネット広告事業】

同ビジネスは新型コロナウィルスの影響を受けました。しかし一時的な落ち込みですんだため年間を通しては増収増益となりました。

【ゲーム事業】

第1四半期までは既存タイトルの落ち込みが見られました。しかし今年に入ってからの新作タイトルが売上に貢献し増収増益となりました。

【メディア事業】

 順調に売上を伸ばす中、本年6月からサービスを開始した「ABEMA PayPerView」(ABEMA内で配信されるライブコンテンツを有料で視聴できるサービス)が第4四半期の売上に大きく貢献しました。一方で、同サービスへの先行投資が行われたため通年の営業損失が拡大しました。

10月28日の決算発表後の株価の推移は下落傾向です(2020年11月24日時点)。これは同社の決算がコンセンサスを下回っていたことや、今期の予想も保守的であったことに起因していると推測されます。

決算から読み解くサイバーエージェントの今後の展望

ではサイバーエージェントは2021年期末とそれ以降に向けてどのような展望が推測できるでしょうか。

2021年通期の会社予想は保守的

今期の決算予想およびコンセンサス(2020年11月20日時点)については以下のとおりです。

コンセンサスが会社予想を上回っており、会社予想は保守的だというのが市場の見方です。一方で、サイバーエージェントは売上が順調に推移したとしても、有望な事業案件があれば積極的に投資すると思われます。したがって今期中に大規模な投資が行われた場合、利益面に影響が出ると推測できます。

3期連続増配は業績への自信

同社は決算発表にて今期末の配当(予想)を1株あたり37円と表明しています。これによって4期連続の増配予想です。増配予想は通常ビジネスが順調に推移していることを指します。したがって今期末に向けて上方修正→株価上昇のシナリオを想定すべきです。

市場規模の拡大が見込まれるインターネット広告事業

同社のメイン事業であるインターネット広告事業はすでに大きなマーケットになっています。そして新しい技術を活用することでさらなる成長が見込める市場です。同社はインターネット広告事業の大手として有利なポジションを獲得しています。そして今後もAIや3DCGを活用した広告で業績を伸ばす狙いです。

ABEMAのマネタイズ加速を期待

新型コロナウィルスによる活動自粛に伴い、自宅で楽しめるメディアとして多くの人にABEMAが認知され、ユーザー数が増加しました。

2021年9月期は、マネタイズ強化を加速する期になるでしょう。2020年9月期は、新しいマネタイズにあたる「周辺事業」の収入がYoY1.5倍に成長しました。周辺事業の主なサービスは、ABEMA内で配信されるライブコンテンツを有料で視聴できるサービス「PayPerView」、公営ギャンブルのネット投票サービス「WINTICKET」などがあります。

たとえ今後コロナが収束したとしても、コロナ禍のオンライン体験に慣れたユーザーが完全にオフラインに戻ることは考えにくく、これまでの先行投資で獲得したユーザーをベースに大きく飛躍する可能性があります。四半期の決算発表で進捗をウォッチしていきましょう。


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参考資料

2020年通期決算説明資料

IFIS株予報 ーサイバーエージェント

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【鎌倉新書】コロナ禍による業績低迷も、20年6月以降はウィズ・コロナで底入れの兆しあり

葬儀、お墓、仏壇などのポータルサイトを運営する鎌倉新書(6184)。これらの領域はいずれも、従来は選択の余地が小さく、商慣行がややわかりにくい仕組みが難点でした。

2000年に全国の葬儀社検索や葬儀関連の情報サイト「いい葬儀」を開設。その後、2003年に霊園や墓地、墓探しのサイト「いいお墓」と、仏壇や仏具店を検索するサイト「いい仏壇」を開設しました。

また、2011年には全国対応が可能な遺品専門業者を紹介する「遺品整理なび」、2019年には家族らが亡くなったなくなった後の相続手続きをワンストップでサービスする「いい相続」も展開しています。

同社のサイトに行けば「終活」関連のほぼ全てが解決できるようになっており、供養サービスとITを組み合わせたビジネスモデルで成長してきています。

ただ、この業界にも新型コロナウイルス感染拡大の影響が出ています。

2020年12月に発表が予定されている2021年1月期の第3四半期決算や、来期の業績を占ううえでのポイントを取り上げます。

目次

  1. 上期(2~7月)では売上高は前年同期比4.9%減、営業損益は8,100万円の赤字。コロナ影響響く
  2. ウィズ・コロナの定着で業績には底入れ感も
  3. 【まとめ】第3四半期(8月~10月)で売上高と利益に底入れ感が出るかに注目

上期(2~7月)では売上高は前年同期比4.9%減、営業損益は8,100万円の赤字。コロナ影響響く

2020年12月に予定されている鎌倉新書の21年1月期の第3四半期決算発表を前に、第2四半期までの経営成績や事業展開、注目ポイントなどをチェックしておきます。

2020年9月10日に発表された21年1月期の上期(2020年2月1日~7月31日)決算は、売上高が13億8,600万円(前年同期比4.9%減)、営業損益は8,100万円の赤字(前年同期は3億1,700万円の黒字)となりました。全般的に新型コロナウイルス感染拡大の影響が出て、業績の下押し要因になりました。

第2四半期決算発表時点で業績を下方修正しています。21年1月期通期の売上高は前回予想を6億1,000万円減額の33億9,000万円(前期比3.9%増)、営業利益は2億4,500万円減額の2億6,500万円(同66.9%減)を見込んでいます。

第2四半期時点(9月10日)の株価は865円、時価総額は約335億円でしたが、11月16日時点では株価は1,185円、時価総額は約460億円と増加しています。

主力3事業の21年上期の売上高は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、軒並み減少しました。

お墓の買い控えが起こり成約数が減少。葬儀の施行単価が下落し、低価格層の葬儀成約数も減っています。仏壇も同様の傾向です。下方修正は主力3事業が想定より低迷していることが要因です。

相続事業については売上高の規模は小さいものの、順調に推移しています。

主力3事業は緊急事態宣言解除の20年6月以降、トレンドは上向きに変化してきているとしています。

ウィズ・コロナの定着で業績には底入れ感も

鎌倉新書の決算資料によれば、お墓事業では先行指標である紹介数は20年6月から回復傾向にあるほか、「密」を避けるために葬儀の小規模化(低価格化)が進んでいた葬祭事業でも直近では低価格葬儀は減少傾向になりつつあります。

仏壇事業も20年7月から回復トレンドに向かいつつあります。ウィズ・コロナの定着で、力強さには欠けるものの日常が戻りつつあるようです。

相続事業は前期から開始し、集客チャネルの多様化で順調に成長しています。

ALTalkのデータによると、20年5月以降の「いい葬儀」のweb訪問数が上昇傾向にあり、コロナ以降でも注目が集まっていることがわかります。第3四半期決算でこのweb訪問数がどう反映されるかが注目されます。

ALTalk「鎌倉新書の指標」より

日本の高齢化は着実に進みます。内閣府によれば、総人口に占める65歳以上の人口の割合(高齢化率)は2017年に27.7%、2040年には36%を超える見込みです。

「終活インフラ」を目指す鎌倉新書にとっては、長いスパンで見れば、ビジネスチャンスは少なくありません。

【まとめ】第3四半期(8月~10月)で売上高と利益に底入れ感が出るかに注目

2021年1月期の第2四半期決算からは、短期的な業績はコロナ禍の直撃を受けて想定以上に厳しい環境が浮かんできました。

一方、20年6月以降では主力3事業に徐々に底入れの気配が感じられました。第3四半期で下げ止まりの兆しが見えれば、来期である22年1月期の業績の回復の確度は高まることが予想されます。20年8月以降の株価の戻りは、こうした期待感を織り込んでいる可能性があります。

お墓事業、葬祭事業、仏壇事業は、それぞれ個別では競争が激化しています。

一方、相続事業や保険事業などにも展開し、「終活をワンストップで行える」同社のビジネスの参入障壁は意外に高いともいえそうです。

鎌倉新書の株価指標を見ておきましょう。

(20年11月16日現在)

PSR(株価売上倍率)は成長株の評価に使われる指標で、おおむね20倍以上では割高、1倍以下なら割安と判断します。

鎌倉新書のセクターは成熟産業ですが、ワンストップで活用できるネットサービスという観点では成長株と判断されます。PERの高さは、来期の業績回復を織り込みプレミアムが付与されている可能性があります。

今後の四半期ごとの決算をチェックする必要はありますが、成長性を加味すれば、割高とはいえないと考えられます。


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免責事項

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参考資料

2021年1月期 第2四半期 決算説明資料

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メディアから最先端AI企業に脱皮?ミンカブの中間決算の総括と今後の成長を考察

ミンカブ・ジ・インフォノイド株式会社(以下:ミンカブ)は一般向けの投資情報サイト『みんなの株式(愛称:みんかぶ)』を運営する企業です。一見よくあるメディア運営会社にみえますが、実は最先端のAI技術を振るうテック企業です。上場後2期目のミンカブの中間決算と中長期的な成長性を解説します。

目次

  1. 企業概要
  2. 直近の業績をチェック
    1. 今期の中間決算の概要
    2. セグメントごとの業績
  3. 中長期的な成長性と株価
    1. ビジネスモデルからみた成長性
    2. 株価の成長予測
  4. まとめ

企業概要

ミンカブは昨年3月に上場した企業で、メディア運営と情報技術ソリューション事業を展開しています。

直近の業績をチェック

今期の中間決算の概要

出典:第2四半期決算説明会資料 9ページ

ミンカブは業績が好調で、上場したばかりの前期に比べ、今期の中間決算は売上・利益ともに大幅に伸長しました。

ただし、コロナ禍の影響により、会社の業績予想からみた進捗率は思わしくありません。

そうはいっても、ミンカブは売上の8割がストック型収入(※2021年3月期 第2四半期決算説明会資料 P7参照)なので、順調に業績を積み上げていける点に安心感があります。

セグメントごとの業績

ミンカブには「メディア事業」と「ソリューション事業」の2つのセグメントがあります。
前期(2020年3月期)まではメディア事業が主流でしたが、今期に入ってからはその構成が逆転しました。

同社の顔ともいうべきメディア事業より、高成長のAIソリューション事業の比重が高まっているのがわかります。
昨年はメディア事業が優位でしたが、いずれソリューション事業の業績がメディア事業を大きく超えていくでしょう。

ミンカブの中長期的な成長性と株価

最後に、ミンカブのビジネスモデルや各セグメントからみた成長性、また株価について考察します。

ビジネスモデルからみた成長性

ミンカブは2009年創業のIT企業で、Webサイト運営から最先端のAIサービス企業に転換しつつあります。

ミンカブは自社運営のサイトを起点に、3つの「コアアセット(中核的な経営資産)」を生み出し、継続的な収入と収益アップ、事業拡大の仕組みづくりをしています。
2つの事業を回すことで好循環が生まれ、スケールアウトによる効率化と異業種への事業拡張による成長を目論んでいます。
詳しくは次節以降で見ていきましょう。

メディア事業

【メディア事業の成長要因】

  • 広告収入の拡大
  • 課金サービスの拡充

メディア事業は主に投資/金融分野の特化サイトの運営です。
異なる分野のメディアに積極的に横展開する予定はなく、広告収益の成長は限定的でしょう。

近年は広告収入に加え、ユーザー課金モデル(サブスクリプション)を導入して収益の向上を図っています。

ここ数年の活況もあってメディア事業の成長がみられるものの、サイトの特性上、広告収益や課金収益は市況に左右されることが容易に推測されます。

当事業の成長は投資市場の活況がいつまで継続するかにかかっており、成長の柱とするには物足りなさを感じます

ソリューション事業

【ソリューション事業の成長要因】

  • 金融業界の需要の取り込み
  • 異業種向けの展開と協業の推進

ミンカブは金融機関中心に370社以上に情報サービスを提供しています。

国内の金融機関の数は1456(2020年10月末現在)なので、成長余力はあるとみられます。

加えて、ミンカブはコンテンツとAIの利活用技術を高度化させています。

AIによる情報コンテンツの自動生成だけでなく、業務支援サービスまで開発済みで、コンテンツ活用のさらなるサービス拡充と応用的な展開による事業成長が期待されます。

また、ミンカブは金融以外の他業種との協業や提携も進めています。

今後は選挙メディアと提携したりスポーツデータの専門企業と協業するなど、特化メディアや専門情報を提供する企業とも組んで事業成長を図っていくようです。

AIは高成長分野なので、ミンカブが市場の需要をすくい上げ、ビジネスモデルをうまく回せていければ、かなりの成長が期待できるでしょう。ITR Market View:AI市場2019によると、AIの言語解析市場は2023年までに約2倍成長すると見込まれており、成長性の高い市場です。

ミンカブがシェアを順調に取れれば、同程度に成長できるかもしれません。

売上も現状の14.5億円(2020年3月期)から、2023年度には30億円以上にできるのではないでしょうか。

株価の成長予測

マザーズ上場後のミンカブの株価はほぼ横ばいでしたが、2020年3月に株式市況の影響を受け下落しています。

4月に入り持ち直し、その後市場の活況を受け大きく上昇、特に10月に入ってから株価が急騰しています。

ミンカブは高収益を期待されている成長株ですが、現在は過熱しているため、仕込むなら市場の調整を待ったほうが賢明です。

ミンカブはマザーズ銘柄なので、将来的な東証一部への昇格と株価上昇を期待し、気長にホールドするのも一つの方法です。

まとめ

ミンカブは投資情報サイトの運営から、最先端のAIを扱うテック企業に脱皮を図っているとみられます。

AI市場は成長が著しく、シェアを順調に取れれば、ミンカブは中長期的に大きく成長するでしょう。

ただし、ミンカブの現在の株価は水準には過熱感が感じられますので、ウォッチしておいて、調整したところを狙いたいです。

免責事項

記載されている情報は、正確かつ信頼しうると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性または完全性を保証したものではありません。予告なく変更される場合があります。また、資産運用、投資はリスクを伴います。投資に関する最終判断は、ご自身の責任でお願いいたします。

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長期的な成長ポテンシャルの高さを確認。調整時を狙いたい|MonotaRO

以下の「市場平均予想」は、予想を出している証券会社の予想の平均です。

▽市場平均予想(単位:百万円)

※現株価5,550円で計算

目次

  1. 会社概要
  2. 業績:採算改善、販管費抑制で高利益確保
  3. 19期連続増収11期連続増益へ
  4. 【総合評価:☆☆☆☆】株価は過熱気味だが、長期的な力強い成長性と安定的なファンダメンタルを評価

会社概要

建設業・工場・工事用間接資材及び自動車用アフターマーケット商品のネット通販を手掛ける会社です。

顧客は大半が中小企業で、主に製造業・自動車整備業・工事業で使用する消耗品、工場交換品、整備工具、タイヤ、足回り品、各種工事業関連用品、事務用品などの間接資材を取り扱っています。4円のネジから1,000万円近いサーバや産業機械まで幅広い用途に向け、約1,800万点を取り揃えています。

間接資材というのは、製造する品目によってネジ一つから選ばなければならない複雑性に加え、現場の状況によっていつ何がどれくらい必要になるのかが分かりにくく、計画を立てにくい性質を持ちます。そのため、企業は全体の2割に過ぎない間接資材を購入するために8割の時間を割いていると言います。

また、間接資材業界では、工具屋や部品屋が企業を直接訪問し、その際に販売価格の交渉が行われるのが慣習でした。こうした慣習は、発注数量が多く発注頻度の高い大企業が価格交渉力を持つ一方、中小企業の価格交渉力は低く、売り手から不公平な価格で購入せざるを得ない状況を生み出していました。

こうした業界の課題を克服すべく、間接資材業界に参入したのが同社。Eコマースという業界にとって新しい切り口で、購入の手間を大幅に省ける「ワンストップ・ショッピング(1ヵ所ですべて購入可能)の仕組み」、そして「商品1個からでも配達する仕組み」を構築したのです。

同社は「流通の非効率性を変革する」という企業ミッションを掲げていますが、このミッションはこうした不公平性を生み出す非効率性を変革することを目指したものとなっています。

(桃太郎が鬼を退治するように、モノタロウが非効率性を退治する、同社の社名はそのようなイメージから付けられたといいます。)

『ニーズを満たす豊富な品揃え。低価格かつ小ロットでも値段は同じ。事務コストが軽減され、納期も迅速』という間接資材業界唯一のメリットが中小企業から絶大な支持を得て、はじめ従業員30名、商品点数20万点で小さく始めた事業が、1年後には商品点数50万点を数えるまでに。カタログ発刊も手伝って顧客数は何と8,000社に急拡大。顧客開拓にはシステム構築からカタログ発刊、物流システムといった先行投資がかさみ創業5年目までは赤字続きでしたが、規模のメリットも享受して5年目で黒字達成、以来右肩上がりの業績推移を辿っています。

2020年9月末時点の事業規模は、商品点数1,800万点、顧客数は519万口座に及びます。

(ホームセンターでは平均3万点、多くても20万点程度であることから見ても、 圧倒的な品ぞろえであるということが分かります。)
この圧倒的アイテム数に加え、即納体制が充実していることも強みとなっています。当日出荷を可能とする在庫商品点数は約47万点(2015年度25.6万点)にのぼり、「現場」事業者のニーズに応えられる体制を整えていることも、リピート利用に繋がっているようです。同社によると、出荷が「3日後」から「当日」に短縮するだけで、その商品は2カ月以内に売上が5割増になるといいます。

さらに注目すべき点に、登録した顧客が毎年購入金額を増やしていることがあります。例えば2008年に初めて注文した顧客の購入金額は、2017年には2倍以上の規模に拡大しています。利便性の高いシステムが認知されることに加え、間接資材の発注は品目数も頻度も高く、継続的な利用に繋がりやすい。また蓄積される顧客データベースや受注データを活用した「リコメンド機能」や事業開始からのカタログ発行も、新たな商品の発見をもたらし、注文単価の上昇に繋がっていると思われます。

採算改善、販管費抑制で高利益確保

2020年12月期第3四半期の業績は、売上高は前年同期比18.8%増の1,148億3,700万円、営業利益は27.1%増の143億6,800万円、経常利益は27.0%増の144億500万円、純利益は31.5%増の101億9,100万円となりました。

第3四半期の業績は、複数のポイントで採算性が改善したことが評価ポイントとなります。

採算改善の背景としては、PB比率の上昇やマスクや消毒液などの高採算品の好調によって、製品ミックスが改善したこと、総合物流会社SBSホールディングスへの出荷が増加したことで配送料の抑制が進んだこと、ロイヤルティ収入が増加したことが挙げられます。これらの変化により、売上総利益率は28.7%と0.7%ポイント改善しています。

また、コストと利益面では、コロナを背景に商品情報管理システムと受発注管理システムの導入が遅れた影響で、業務委託費が増加(新システム稼働準備委託・一般個人顧客利用増による派遣社員費用増)しましたが、広告宣伝費を抑えたことが奏功し、結果、販管費はさほど増えませんでした。

同社では売上の拡大と同時に販管費も2桁増となるのが普通なのですが、3Qにおいては9.3%の増加に留まりました。むしろ販管費率は1.1%ポイント低下の15.3%(単体)に改善しています。

営業利益率は13.3%と前年から0.7%ポイントの上昇となりましたが、中国子会社清算決定に伴う減損損失5億2,300万円を特別損失に計上したことで、最終利益段階での利益率は8.9%となりました。

顧客獲得の動向については、コロナ禍でマスクなどの対策関連商品を求める個人客の増加もあり、新規登録者は107.9万口座。第3四半期末時点での登録会員数は518.9万口座となりました。

商品ではマスクや消毒液のほか、テレワークに向けた家具なども売れ行きが良かった模様。

個人客は平均単価が4,000円と全体の9,000円に比べて低く、それでいて配送料がかかるという問題もありますが、ゴールデンウィークを底に法人向けが回復基調にあることから、影響は相殺されたとのこと。

なお、一般個人顧客は注文単価・リピート率とも低いため、顧客生涯価値向上の観点から引続きBtoB事業に重心を置くとしています。

購買管理システム事業(大企業連携)では、連携企業数が前期末から277社増えて1,094社となりました。うち、One Sourceは四半期中での導入企業はなかったものの、2社が導入検討段階に入ったとのこと。One Source Liteについては191社増の554社、さらに368社が導入を検討していると言います。もともと高成長でしたが、コロナ禍においても高い成長が維持されています。

19期連続増収11期連続増益へ

通期業績予想は、売上高が19.0%増の1,564億6,800万円、営業利益は17.2%増の185億6,900万円、経常利益は17.0%増の185億8,400万円、純利益は18.3%増の129億9,700万円となる見通しです。

足元では個人向けでコロナ対策関連商品の注文が高水準で継続しているようで、これに加え、コロナの影響で注文単価が下落した主要3業種も回復傾向にあり、また購買管理システム事業(大企業連携)も回復傾向にあることから、この勢いが維持されれば計画達成は濃厚と思われます。

9月の月次動向

9月の月次売上は前年同月比16.6%増と8月の勢い(21.0%増)から減速したように見えますが、これは、前年同月の消費増税前の駆け込み需要の反動減の影響です。

新規顧客は11万3300口座獲得しており、顧客増のペースは高水準で維持されています(累積顧客数は527万超え)。

【総合評価:☆☆☆☆】株価は過熱気味だが、長期的な力強い成長性と安定的なファンダメンタルを評価

上半期中は主要顧客の3業種(製造、建設・工事、自動車整備)で注文単価が落ちるなどのマイナス影響がありましたが、第3四半期には中小企業を中心に回復に向かっていることが確認されました。コロナを機に大きく増えた個人向け販売も継続している模様。また今期から順次新規物流施設が稼働し、出荷能力は2倍に拡大する見込みです。拠点を増やすと一時的にコストが増加しますが、その先の成長には不可欠なところ。笠間DCの新設時もそうであったように、今回も新規物流施設による中長期での業績拡大効果が期待されます。

さらに、コロナ禍で導入が遅れていた受発注管理システム(OMS)および商品情報管理システム(PIM)が開始することで、配送方法最適化などによる配送・物流関連コストの削減や、商品情報の多様化・充実化による顧客利便性向上によって注文増が期待されるなど、運用面での改善期待も高まっています。

ところで、日本の間接資材の市場規模は約8兆円で数年間横ばい推移しています。この中、同社の売上規模は1,000億円強。独走状態にも関わらず、市場シェアは2%にも届いていない状態です。

日本の間接資材市場は依然として、訪問工具商や金物屋など直接販売・交渉販売 のシェアが高いということになりますが、EC事業者が直接販売を行う業者からシェアを奪うことは十分可能だと思います。

以下は同社のWeb訪問数の推移です。一貫して月に1億9,000万件前後で推移しており、大きなブレがないことが分かります。

ALTalk「MonotaROの指標」より

株価相関は弱いものの、強い顧客基盤による一貫性のある堅牢なビジネスモデルが表れており、これが株価の下支えとなっていると思われます。

財務状況も健全です。有利子負債は90億円、これに対し、現金および預金には145億円保有しており、実質無借金。自己資本比率は58.4%(前期末は62.1%)で、流動比率は2.4倍と安定的です。

年間配当金は2.0円増配の17.0円とする方針。また、同社は株主優待として、100株以上保有の株主を対象に、半年以上3,000円相当、3年以上5,000円相当など、保有期間に応じた内容のPB商品を贈呈しています。

株価は年初来+90%というパフォーマンスを見せています。さらに第3四半期に企業向けの回復が確認されたことで大きく上昇。上半期までは個人向けが拡大した一方企業向けが減速したため、採算性悪化が懸念されていたと見えますが(個人客の増加は、平均単価の低下と配送料率の上昇や業務量の増加という利益率の悪化をもたらすうえ、リピート率が低く事業効率が悪いので)、その懸念が払しょくされたことが高騰につながったと思われます。

業績面でのプラス面は現在の株価には織り込まれていると考えてよいかと思います。指標面で見てもPER100倍を超えています。もともとのファンダメンタルの良さに、見通しの良さも加わりかなり高いパフォーマンスとなっています。

ただ、過去1年の予想PERで高くても80倍台だったことを思うと現在の水準には過熱感が感じられます。中長期的な成長ポテンシャルは高い企業であることは確かなので、ウォッチしておいて、調整したところを狙いたいです。

免責事項

記載されている情報は、正確かつ信頼しうると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性または完全性を保証したものではありません。予告なく変更される場合があります。また、資産運用、投資はリスクを伴います。投資に関する最終判断は、ご自身の責任でお願いいたします。

参考資料

「2020年12月期 第3四半期算説明資料」

「2020年12月期10月度月次業績に関するお知らせ」

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「Go To トラベル 」東京追加の効果は? オルタナティブデータから見える新しい旅のかたち

 気温も湿度も下がり、外を歩いていても冬を感じる気候となってきました。それに伴い、新型コロナウイルスの感染が再拡大し、従前から懸念されていた「第三波」を指摘する専門家の声も耳にします。そのような状況下で、なぜ「Go To トラベル」キャンペーンを続けるのかという声が聞こえる一方で、前回の記事でも指摘した通り、同キャンペーンの効果は東京追加以降の10月から効果が発揮されてくると考えています。今回もオルタナティブデータを用いてキャンペーンの効果を確認していきましょう。

やはり東京追加以降の10月に激変

 株式会社ジェーシービー(以下:JCB)と株式会社ナウキャスト(以下:ナウキャスト)は、匿名加工されたJCBのクレジットカードの取引データを活用して、現金も含むすべての消費動向を捉える国内消費動向指数「JCB消費NOW」を提供しています。このJCB消費NOWにおいて、「旅行」の消費指数を見てみると、やはり10月から前年同月比でプラスとなっています。前年同月比がプラスの伸びになるのは2020年では10月が初となります。

 しかも、同キャンペーンによって大幅に割引された金額で決済されているため、決済件数が変わらなければ同指数は割引分だけ減速するわけですから、その大幅割引分を埋めてもなお前年同月比でプラスとなったということは、この数字以上に強い伸びを示したことになります。

 この項目には旅行代理店のウェブサイトなどを通じてクレジットカードで決済したデータが含まれます。同キャンペーンの東京追加は10月からでしたが、先行予約は9月後半から可能であったため、9月後半から既に東京追加の影響が確認できます。やはり、東京追加前までは期待していたほどの効果はなかったものの、東京追加で激変するというこれまでの仮説は正しかったと言えるでしょう。

依然として不特定多数と密になる空間は避ける

 しかし、同キャンペーンによって旅行の需要は押し上げられたものの、その移動手段に目を向けてみると、航空・鉄道ともに大きな変化は見られません。前年と比較すると相変わらず停滞を続けています。

 やはり、不特定多数の人と密な環境になってしまう移動手段は依然として避ける傾向があるようです。鉄道に関しては首都圏や関西圏で終電の時間が繰り上げられ、航空も国内外で本数が絞られていることから、乗客が減るだけでなく物理的な減少も影響したと考えていいでしょう。

マイクロツーリズムが浸透

 それでは、旅行需要が高まった一方で航空・旅客といった一般的な移動手段があまり使われていないということを考えると、どのように旅行に行っているのでしょうか。航空・鉄道のように自動車移動にかかる消費を直接計測することは出来ませんが、代わりにガソリンスタンドにおける決済を見てみましょう。

 暖房用の燃料も含まれるデータにはなりますが、10月はまだそれほど暖房用の燃料購入は大きくないでしょうから、ほとんどが自動車移動による燃料需要と考えても問題ありません。このデータを見ると、やはり自家用車で近郊へ旅行するというマイクロツーリズムが浸透したと言えます。実際に都内に住む筆者の知人に聞いてみても、箱根、熱海、軽井沢など近場に自家用車で旅行をしたという回答が多い印象を受けます。

第三波の影響は注視すべし

 しかし、第三波がどれほど大きな波となるか。これは注視すべきだと考えます。今年の消費関連の指数を2週間ごとに見ていくと、新規感染者数が増えたといった報道が多くなってくると、多くの国民が自主的に外出を自粛する傾向が確認されます。実際、旅行先としては人気がある北海道も、道内の新規感染者数が大幅に増えたという報道が出たために10月後半は伸びが減速しました。愛知でも新規感染者数が増加しており、その影響か東海地方も10月後半は伸びが減速しています。

 既に野党からは感染が再拡大しているなかで、同キャンペーンを続けるのか、延長するのかという声も上がっているため、観光業や交通関連の企業に投資をしている個人投資家は経済指標だけではなく感染者数などの動向にも注意を配るべきでしょう。

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【終了】あなたの「投資仮説」をシェアしませんか?今なら先着100名様にAmazonギフトカード500円プレゼント

こんにちは。ALTalk編集部です。

ALTalkは、投資家の皆さまの「投資仮説」が集まるプラットフォームを目指しています。

しかし、現時点では十分な投資仮説が集まっている状態とは言えません。そこで・・・

11/13(金)〜11/22(日)に「株価予想キャンペーン」を開催させていただきます!

ALTalkに掲載している銘柄の株価予想を投稿し、Twitterでシェアをしていただいた方を対象に、先着100名様限定でAmazonギフトカード500円分(最大1,500円分)をプレゼントいたします。

詳細をご案内いたしますので、奮ってご参加ください!

キャンペーン概要

ALTalk掲載中の銘柄の「株価予想」を投稿し、当該投稿をTwitterでシェアした方にもれなくAmazonギフトカード500円(先着100名)プレゼントいたします!

キャンペーン期間

11/13(金)14:00 〜 11/22(日)23:59まで
※キャンペーン期間中に株価予想を投稿し、Twitterでシェアした方が100名に達した時点で終了させていただきます。

→キャンペーンは終了いたしました。

対象銘柄

ALTalk掲載中の全51銘柄が対象となります。

BtoCサービスでは、

  • EC(楽天・ZOZO等)
  • 飲食系サービス(出前館・ぐるなび等)
  • CtoCサービス(メルカリ・ジモティー等)
  • ソーシャルゲーム(サイバーエージェント・コロプラ等)
  • Webメディア(じげん・エイチーム等)

BtoBサービスでは、

  • SaaS(Sansan・freee・マネーフォワード等)
  • プラットフォーム(ラクスル・エムスリー・MonotaRO等)

等を掲載しています。

投稿の例

これまで56件の株価予想の投稿を頂きました(11/13時点)。

ご参考までに、具体例を3つご紹介いたします。過去の投稿一覧はこちらのページからご覧いただけます。

https://altalk.ai/expectations/3
https://altalk.ai/expectations/22
https://altalk.ai/expectations/56

手順

「株価予想ページ」にアクセスしてください。

② ページ下部の「株価予想を投稿する」ボタンから、株価予想投稿ページにアクセスしてください。

※会員登録またはログインが必須となります。②の後に表示されるポップアップより会員登録またはログインをお願いいたします。

③ 予想する企業を選択のうえ、予想期間・上昇/下落・変動幅・投資仮説(100字以上)・その他任意項目を記載の上、投稿してください。

④ 投稿後のポップアップからTwitterに遷移し、ツイートしてください。

ツイートのURLをコピーしてください。

キャンペーン申請用のフォームから、ツイートURL、氏名、送付先メールアドレスを記載のうえ申請してください。

以上で完了です。

注意点

  • 1名につき3投稿まで(最大で1,500円分)がキャンペーンの対象となります。
  • 先着100名とさせていただきます。
  • 複数アカウント作成による投稿は対象外とさせていただきます。
  • 投資仮説のコメントについて、コピペ、盗用悪質な投稿、その他内容が相応しくないものについては対象外となります。
  • 予告なく本キャンペーンを終了する場合があります。
  • 投稿には、ALTalkのご登録・ログインが必要となります。
  • Twitterアカウントは、公開設定をしてください。
  • 期間外の投稿はキャンペーン対象外となります。
  • 申請後にALTalkの登録を解除し、また、投稿やTwitterのシェアを削除するとキャンペーンの対象外となりますのでご注意ください。
  • Amazonギフトカードは、2020年12月上旬より順次、申請された送付先メールアドレスにお送りいたします。
  • メールアドレスへの送付をもって、キャンペーン対象の発表に代えさせていただきます、申請いただいた場合でも、先着100名様に達した際に個別にご連絡はいたしませんので、予めご了承ください。

ご不明点などあればこちらのフォームからお問い合わせください。

皆さまのご参加をお待ちしております。

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コロナ禍で急成長するBASE。「ネットショップ三国志」の中を勝ち抜けるか

新型コロナウイルス感染拡大による事業環境の大きな変化を追い風に成長するネットショップ業界で、「STORES.jp」との二強を形成している「BASE」(4477)。テイクアウトニーズによる飲食セクターの出店増にもすばやく対応し、顧客増とともに伸びるネットショップならではの動きの良さをみせています。

一方で、決済サービスのPAY事業の停滞や、BASE、STORES.jp、カナダからのEC業界の黒船「Shopify(ショッピファイ)」をまじえた「ネットショップ三国志」の推移といった経営課題もあり、こちらも目配りしておきたいところです。

2020年12月期第3四半期決算で注目すべき点を取り上げました。

目次

  1. 第2四半期までの売上高は前年同期比118.2%増、営業利益は黒字回復
  2. ネットショップ「BASE」と決済サービス「PAY」の2つのセグメントの違いは?
  3. コロナ禍で奮闘するBASE、顧客支援を強化し大幅売上増に。今後はM&Aに重点
  4. ネットショップというレッドオーシャンを勝ち抜く戦略に注目
  5. BASEをはじめとする急成長のEコマース関連銘柄をチェック

第2四半期までの売上高は前年同期比118.2%増、営業利益は黒字回復

2020年11月に予定されているBASEの2020年12月期第3四半期決算発表に先立ち、第2四半期までの主な経営指標と事業展開、注目すべきポイントについておさらいしておきましょう。

20年8月14日に発表された20年12月期の第2四半期決算(20年1月1日~20年6月30日)における売上高・営業利益は以下のとおりでした。

売上高は2倍以上の伸びを見せ、営業利益は前年同期の-1億3,567万円からの黒字回復。非常にめざましい進捗を示しています。売上高営業利益率も前期の-8.0%から16.6%へプラス回復となりました。

事業別に見ると、ネットショップ作成サービスのBASE事業が著しく成長していることがわかります。

一方、オンライン決済サービスのPAY事業については、売上は増加したもののセグメント損失が続いています。

20年12月期の通期連結業績予想では、前回発表予想と比較して、売上高は75億2,000万~81億円と約4割強の増加を見込んでいます。営業利益は0円~5億円と前回発表予想のマイナス想定をくつがえし、最大で約9倍もの増加を見込んでいます。

下半期の想定も含め、今年度の好成績に自信満々といったところです。

20年9月24日には、広告宣伝費・運転資金の調達などの目的で、欧州・アジアを中心とする海外投資家を対象に新株式発行(増資)を行いました。

約118億円を調達したことで、既存株主は6%弱の希薄化(EPS(1株当たり利益)の減少)となりましたが、ここ数カ月の株価の値動きに照らせばこの程度の希薄化は大きな問題ではないと考えられ、成長資金の調達は歓迎すべきといえます。

株価は第2四半期決算発表時点(20年8月14日)で7,170円、時価総額は約1,552億円でしたが、11月6日時点で株価は13,100円、時価総額は約2,704億円まで上昇しました。

ただし10月8日にいったん15,930円の最高値をつけており、現在は下落基調にあるとも見ることもできます。10月8日以降に経営的なニュースが何かあったというわけでもなく、センチメント(市場参加者の強気・弱気などにおける市場心理)の移ろいによる投機的な値動きが続いていると考えられます。

ALTalk「BASEの指標」より

ネットショップ「BASE」と決済サービス「PAY」の2つのセグメントの違いは?

BASEの業績をセグメントで見ると以下のとおりとなります。

売上高の89.0%、営業利益の126.6%(他の事業がマイナスのため)を占めるコア事業がBASE。初心者でも簡単にデザイン性の高いネットショップを無料で作れるネットショップ作成サービスと、そこで開設された店舗の商品を購入できるコンシューマー向けのショッピングアプリ等を提供するEコマースプラットフォームを展開しています。

BASEでは、「GMV」(Gross Merchandise Value/流通総額)を事業の成長を測る指標として重視しています。

新規顧客の開設効果と既存顧客の売上増の合計であるGMVを、戦略立案や施策のKPI(重要業績評価指標)とするのは妥当であり、GMVの伸びは新規顧客となるネットショップ開設を検討する層へのマーケティングにも有効といえます。

コロナ禍によりリアル店舗から消費者の足が遠のくなか、Eコマース市場への需要が高まり、新規ショップ開設数およびGMVは大幅に増加しています。

GMVが前年同期比196.5%もの伸びを見せたのは、BASEと顧客の双方がかみ合ったビジネスモデルが理想的に成長したものといえるでしょう。GMVの伸びには既存店の成長だけでなく、ショップの新規開設(20年12月期第2四半期のショップ開設数は前期比で229%増、前四半期比で159%増)も寄与しています。

PAY事業は、既存のWebサービスやネットショップ(BASEで開設されたものでないショップ等)にクレジットカード決済を導入するための開発者向けオンライン決済サービスです。スタートアップやベンチャーといった新興企業に対して重点的にマーケティング活動を進め、安価な手数料を武器に加盟店数の拡大に取り組んでいます。

一部のオフライン事業(リアル店舗)を営む既存加盟店(スポーツ関連、インバウンド関連等)のGMVが20年2月以降に大幅に減少したことが、20年12月期第2四半期の業績停滞につながりました。

新型コロナウイルス感染拡大があらゆる業態のリアル店舗にダメージを与えたことがBASEにはプラス、PAYにはマイナスに働いたといえます。

今後の両事業の成長を占う施策について続けて見ていきましょう。

コロナ禍で奮闘するBASE、顧客支援を強化し大幅売上増に。今後はM&Aに重点

新型コロナウイルス感染拡大がもたらした新しい消費のかたちは、引き続きBASEへの追い風となります。

外出機会の減少に伴うリアル店舗からEコマースの移行、従来の顕示的消費から巣ごもり型消費への移行はこの数年で消費者の態度を変化させるでしょう。とくに価値観の形成期にある若年層への長期的な影響は甚大です。

総務省統計局が行っている「家計消費状況調査」によれば、「2人以上世帯におけるインターネットを利用した支出額」は、2015年10月の7,719円から2020年9月には15,981円へと大きく伸びています。インターネットを利用した世帯の割合も49.9%に達しています。

今後も比較的Eコマースの利用率が低い高齢世帯から下の世代への相続・贈与等による所得移転が続くため、ネットショップ業には強い追い風が続きます。当然、BASEの決算発表にも期待がかかります。

このような消費構造および顧客の事業環境の変化に迅速に対応すべく、BASEはさまざまな取り組みを行っています。

●あらゆる事業者の事業の継続をサポートするための支援を実施(ネットショップ開設支援、お急ぎ振込の手数料無料化、発送前商品の売上金引き出しサービス、オンラインセミナーの開催、集客支援等)

●アパレルや食料品を販売する実店舗のオンラインシフト、物産展等の催事の中止の影響を受けた食品卸業者や営業自粛をした飲食店の開設を増加

●飲食店による開設の増加に伴う新たなニーズへ対応するため、テイクアウトアプリをリリース

●サーバーの増強及びCS業務の体制強化の実施

ここで、消費者側の動向を示すBASEのアプリダウンロード数の推移を見てみましょう。

ALTalk「BASEの指標」より

年間で見ると、アプリのダウンロード数は、巣ごもり需要の影響で4月以降に急増し、5月18日時点で39,041件とピークを迎えますが、11月第1週には13,720件まで落ち込んでいます。

ただし、11月13日に発表される決算の期間(7〜9月)は、コロナ前の水準と比較して上昇トレンドであることに変わりはありません。

Web訪問数についても、下図のとおり順調に増え続けています。

ALTalk「BASEの指標」より

PAY事業では、引き続きコストの抑制を図りつつ、プロダクトの強化と加盟店数の増加に努めGMVの成長を目指すとしています。

前述した20年9月の増資では、資金調達の理由という形で今後の重点項目が明らかになりました。

(1)BASE事業のGMV成長を加速させるための広告宣伝費
(2)プロダクト開発力の強化のための人件費および採用費
(3)GMV拡大及びショップのキャッシュフロー早期化支援に伴う運転資金の増加への充当
(4)M&Aおよび資本業務提携

国内のネットショップ作成サービスはBASEとSTORES.jpの二強体制で寡占に近い状態となっていました。しかし、2018年にカナダからのEC業界の黒船「Shopify」が上陸し、ローカライズ(ある国に向けて作られた製品やサービスを他の国でも使えるようにすること)を急速に進めています。

BASEで開設されたネットショップ数は2019年8月に80万店に達し、2020年9月には120万店を突破と急速な成長を見せています。

競合であるSTORES.jpとShopifyは出店数を公開していません。Shopifyは2019年10月にグローバルで100万店を突破というアナウンスを行ったことから、日本国内の出店数はいまだBASEには大きく及ばないと考えられます。

コロナ禍で変化した事業環境への対応もこの半年で提供者・顧客とも急速に進み、今後は利用料・使いやすさ・集客支援といった本来のスペックとカスタマーサービスを舞台とした競争の激化が予想されます。

ネットショップのレッドオーシャンを勝ち抜くため、このタイミングで広告宣伝・ヒューマンリソースを拡充し、スケールを維持・拡大する戦略は納得度が高いものです。

加えて、今後の成長を占ううえで注目なのがM&A(合併と買収)です。すべてを内製で開発するのではなく、外部との連携の強化・拡大によって、効率的に利便性の高い機能やサービスを提供していく体制を整えることを目的としています。スピードが求められるこの局面で、内外に広く成長の芽を求めていく積極的な姿勢には期待が持てます。

ネットショップというレッドオーシャンを勝ち抜く戦略に注目

BASEは20年12月期第2四半期決算で通期目標を大きく上方修正しています。第3四半期までの進捗とさらなる通期目標の修正があるかどうかをチェックし、経営陣の自信を確認しましょう。

第2四半期決算では、主力のファッションカテゴリが全体に占める割合は減少しましたが、同カテゴリのGMVは前年同四半期比で124%も増加しました。食べ物・飲み物カテゴリのGMVが前年同四半期比で1,087%の大幅増となり、同カテゴリの構成比が大きく増加したためです。

ネットショップという新しい取り組みにチャレンジする飲食店への有効な支援を継続できるか、状況を見据えた施策を打てるかに注目が集まります。

PAY事業はコロナ禍で成長が止まっています。リアル店舗の決済需要が減少しているため仕方ない部分はありますが、経営陣による今後の見通しと打開に向けての取り組みを確認したいところです。

コア事業としてのBASEは重要ですが、事業セグメントの分散も同様に重要であり、急務といえるでしょう。

BABEとSTORES.jpとShopifyによる「ネットショップ三国志」はまだまだ続きます。レッドオーシャンを勝ち抜くための戦略を経営陣がどのように考えているか、株価を支えるストーリーとしてはこの点が最重要です。

BASEをはじめとする急成長のEコマース関連銘柄をチェック

Eコマース関連企業の今期本決算予想を確認します。

モバイル部門の投資がかさむ楽天を除き、いずれの企業も増収増益を見込んでいます。BASEの経営陣の自信を裏打ちするデータといえそうです。

BASEの株価指標は以下のとおりです。

BASEの株価は1株当たり利益の約713倍というきわめて高い評価を受けています。

そもそも20年年初来の安値が3月16日の867円、高値が10月8日の15,930円と、その差は15,063円に及びます。つまりBASEの株価は、ファンダメンタルズを冷静に勘案して形成されたものとは到底いえませんが、超成長株投資とはそういうものです。

今後の急速な利益成長と、事業拡大による投資家の期待増大に賭けるフェーズであり、超成長株投資を行っている自覚と冷静さをもって第3四半期の決算に臨みましょう。

免責事項

記載されている情報は、正確かつ信頼しうると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性または完全性を保証したものではありません。予告なく変更される場合があります。また、資産運用、投資はリスクを伴います。投資に関する最終判断は、ご自身の責任でお願いいたします。

参考資料

2020年12月期第2四半期決算資料

四半期報告書

四半期決算短信

業績の修正に関するお知らせ

新株式発行による資金調達について

海外募集による新株式発行に関するお知らせ

海外募集による新株式発行に係る発行価格等の決定に関するお知らせ

家計消費状況調査 ネットショッピングの状況について(⼆⼈以上の世帯)

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テレワーク需要を追い風にどこまで飛躍する?|チャットワーク2020年12月期第3四半期決算

11月13日(金)にChatwork株式会社(チャットワーク)の2020年12月期第3四半期決算の発表が予定されています。

チャットワークは昨年秋に上場したばかりですが、今年は上場して2期目になります。今期の第3四半期決算の注目点を解説します。

1. 企業概要

Chatwork株式会社(チャットワーク)はビジネスチャットのSaaS(クラウドソフトの提供サービス)を主力とする企業です。サービス名は社名と同じ「Chatwork」。

昨年9月に新興市場のマザーズに上場しました。

チャットワークには2つの事業部門がありますが、同社ではセキュリティ事業は積極的な事業拡大は行わないとしています。チャットワークの成長はChatwork事業の成功にかかっています。

2. チャットワークの直近の業績をチェック

次に、8月14日に発表されたチャットワークの直近の決算(中間決算)を確認します。前年との比較や、進捗率はどうなのか、細かく見ていきます。

直近の業績サマリー

まずは今期の中間決算を確認します。一年前と比べてどれほど成長したのか、前期の中間決算とあわせて見てみましょう。

コロナ禍により業績が悪化する企業が続出するなか、テレワーク勤務の増加を受けてか、今期のチャットワークの中間決算は絶好調でした。

【前年同期との比較】

  • 売上 :8億5,344万円→11億5,462万円(+35.3%)
  • 営業利益 :5,560万円→2億2,526万円(約4倍)
  • 純利益 :4,640万円→2億2,758万円(約5倍)

昨年と比べると、チャットワークは売上と利益とも桁違いの成長を見せています。

会社予想との進捗率

チャットワークは第1四半期では保留していた2020年12月期決算の業績予想を開示しました。

【2020年12月期の会社予想と進捗率】

通期の会社予想に対し、中間決算の売上は妥当なペース、利益は5~6割から8割方固めています。

ただ、今後会社予想の修正がくるかもしれません。あくまで参考に見ておきましょう。

3. チャットワークの主要KPIの推移

ついでにチャットワークの成長を牽引するChatwork事業の主要KPIも押さえておきましょう。

【主要KPI】

  • 登録ID数
  • DAU数(1日のアクティブユーザー数)
  • 課金ID数
Chatwork社『2020年12月期 第2四半期決算説明資料』より

チャットワークの「ID登録数」と「課金IDの数」は2018年初頭から順調に伸び続けています。

また、1日のアクティブユーザー(DAU)の伸びは2019年Q4に鈍化しましたが、企業のテレワーク採用の潮流に乗り、2020年に入って8~9%も増加しています。

これらのKPI指標を見ると、チャットワークはコロナ禍に遭遇する前からおおむね安定的に成長し続けていることがわかります。

さらに、課金ID数の伸びに比べて利益額が大きくなっており、既存ユーザーが上位プランに移行していると考えられます。

4. 前期の決算発表から今までの株価推移

ここで、Chatwork株式会社の最近の株価推移をチェックしてみましょう。

ALTalk「チャットワークの指標」より(2020年11月2日現在)

チャットワークの株価は通期決算発表(2/14)後に株式市況の不調に連れ安し、3月の市況下落で上場後の最安値をつけました。

5/15に第1四半期の好業績発表後は株式市況の軟調をよそに人気の銘柄になり、その後の値動きは好調に推移しました。

8/14の中間決算で事業の成長が確定的になると、出来高も多くなり株価も逆行高に。最近(10月末)の株価は一服し下げ基調になっています。

ただ、チャットワークの現在の株価は新興成長株によく見られる過熱感をはらんでいます。

5. 次回決算の注目ポイント

最後にチャットワークの第3四半期の注目ポイントを紹介します。まず証券アナリストの業績予想を確認し、その後に着目すべき点を見てみましょう。

証券アナリスト予想

今期の経常利益コンセンサス :3億7,500万円(出典:IFIS株予報
今期の業績予想(純利益) :5億1,000万円(出典:みんなの株式
【参考】中間決算の純利益 :2億2,758万円

アナリストの業績予想は通期分しか見当たりませんでした。しかも予測値にかなりの幅があり、前期の純利益と比較すると4~8倍の差があります。

チャットワークは高成長企業なので、プロでも業績予測がしにくいとみられます。

第3四半期決算の注目ポイント

チャットワークの成長のカギは利用者の増加と、収益率をいかに上げていくかです。したがって、第3四半期決算で注目すべきポイントは以下になります。

  • Chatworkの登録IDの増加数
  • 収益率

Chatworkの登録ID数の予想

中間決算後から利用者数がどれほど増えるか、考察してみます。

第3四半期の登録IDの増加率は横ばいか、もしかすると下落するかもしれません。理由は2つです。

  1. 母数増加にともない、ID増加率が年々ゆるやかに
  2. 中間決算後のテレワーク率は横ばいと推測

登録IDは2020年の春に急増したように見えます。しかし、ChatworkのIDは2018年から3か月毎に5~8%づつ増加しており、特別に増えているわけではありません。

また、テレワークは2020年の3~5月にかけて急増したと見られますが、それ以降はさほど変化がないと推測できます。

たとえば、JR東日本とJR西日本の定期券収入の前年比減収率は4~6月が大きく、7~9月では前四半期とさして代わりばえしません。

JR東日本、JR西日本開示資料より(※「参考資料」リンク参照)

中間決算後の登録ID数は約356万と母数が大きく、登録率もいつも通りに収まると考えられるため、370万台半ば程度に落ち着くのではないでしょうか。

前四半期(中間決算)から利益率は成長するか

前四半期(中間決算)と第3四半期の利益成長率が高まるか、また第3四半期の営業利益の額について考察します。

チャットワークの収益モデルはChatworkの課金です。Chatworkは無料でも使えますが、利用度に応じた課金制や、企業向けの管理機能つきの上位プランもあります。

KPI指標から見ると、無料ユーザーに対する課金ユーザーの割合が増えた分だけ利益率が上昇していくはずです。しかし、チャットワークの場合は様相が少し違います。

2019年以降は課金ユーザーの増加率が3~5%と以前よりだいぶ低くなったのに、2020年に入り利益が激増しているのです。

つまり、既存の無料プラン改定による実質的な課金誘導と価格改定のほか、企業の上位プラン契約に成功したとみられます。

特に、前四半期はAPRU(ユーザーあたりの平均単価)の増加率が今までの数%以下から9%に急上昇(4~6月)したことからも、プラン移行した企業が多かったのがわかります。

前四半期に収益率が大幅に成長した要因は大口特需をつかんだためでしょう。

しかし、在宅勤務者の数が横ばいもしくは下落傾向にある局面では、利益率の大きな柱となる企業の上位プラン契約はほぼ増加しないと考えられます。

また日本経済がコロナ禍の影響から脱する兆しはまだ見えず、他サービスの乗り換えなど大きな解約につながる要素も考えにくいです。

したがって、第3四半期の利益率は前四半期(中間決算)に比べて微増にとどまるでしょう。第3四半期の営業利益も3億7,000万円前後となるのではないでしょうか。

まとめ

チャットワークは2020年に入り、テレワーク需要を追い風に急成長を見せています。

今のところ、仕事で出社する人の数は前四半期とあまり変わりないようです。

Chatworkの利用者数と課金率は微増にとどまり、中間決算までのような高成長は達成できない可能性があるでしょう。

また、チャットワークの株価は高成長と好業績を見込んでだいぶ過熱気味です。投資タイミングは慎重に図ったほうがいいかもしれません。


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参考資料

JR東日本_2020年度 鉄道営業収入 対前年比の推移

JR東日本 2019年度 鉄道営業収入 対前年比の推移

JR西日本_運輸取扱収入の対前年推移(2020年3月期)

JR西日本_運輸取扱収入の対前年推移(2021年3月期)