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今はバブル?「日経平均3万円」時代の投資術

日経平均株価が3万円を約30年ぶりに超えて、日本を含めて世界もますます活況を呈する株式市場。「日経平均株価は4万円台にまで上がる」という声も上がるなか、この上昇の流れはいつまで続くのか?そして、どのような投資を心がけ、どんな銘柄を選ぶべきなのかを解説します。

目次

  1. コロナ禍以前・途中・現在の日経平均の値動き
  2. 強気相場はいつまで続くのか?
  3. 急落する場合、その急落リスク要因とは?
  4. 今後の投資方法と注目の業界

1.コロナ禍以前・途中・現在の日経平均の値動き

日経平均株価は、2021年2月15日に3万円の大台を回復しました。これは1990年8月2日以来、実に30年8カ月ぶりのことです。世界的な新型コロナウイルス感染症拡大の渦中での大台回復には、金融緩和やコロナ後を見据えた動きが背景にあります。

新型コロナが中国で話題になり始めた直前の2020年2月初旬の日経平均は、2万4,000円手前の水準で推移していました。その後、世界的にコロナがまん延するにつれて株価も急落し、同年3月には1万6,358円まで売り込まれます。1カ月半で約32%も下落し、暴落ともいえる状況でした。ただ、その後は米国をはじめとする世界的な金融緩和や財政政策などを背景に、株価は戻りに転じています。

2.強気相場はいつまで続くのか?

2021年3月以降の上昇過程では、コロナ禍の影響を受けた実体経済と上昇する株価との乖離が指摘されてきました。金融緩和による金余りが株価の刺激要因で、ややバブル的な動きと見る向きも少なくありません。

しかし、1月下旬から2月中旬にかけて公表された第3四半期(2020年4月~12月)の決算発表が好調を背景に、このような懸念については後退しています。日経平均算出元である日本経済新聞によると、決算発表前の1月下旬までの日経平均の1株利益は、1,100円を下回る状況でした。

1株利益に対して株価が何倍に買われているかを示すPER(株価収益率)は27倍前後となっています。決算発表が進むにつれて1株利益は増加し、1,340円程度まで上昇しています。これは、2020年10月~11月期の企業業績が製造業を中心に想定以上に好調だったことが要因となっています。

日経平均が3万円まで上昇しても、PERは22倍とむしろ低下してきています。PER 22倍は米S&P500とほぼ同水準。割安とは言いにくいレベルですが、割高感は急速に薄れてきています。

今後の最大の注目ポイントは、4月下旬から始まる2021年3月期本決算。2021年3月期の経常利益は回復しつつあるとはいえ、全産業ベースでは前期比20%減益程度と見込まれています。コロナの影響が緩和されると見られている2022年3月期には、大幅な増益に転じるとの予想があります。

大手調査機関によれば、2021年3月期に同4%減益まで回復し、2022年3月期は前期比約30%増益になると試算しています。自動車や鉄鋼、商社などの各業界がこれをけん引すると見ているようです。

新型コロナ感染拡大直前の日経平均の予想1株利益は、1,700円前後で推移していました。当時は2019年10月に消費税率が8%から10%に引き上げられた影響などで、企業業績はコロナ以前の2020年3月期に減益で、PERにプレミアムを付けることが難しい状況です。

2022年3月期は3期ぶりの大幅増益予想になると見られ、PERは高めに評価することが可能となります。仮に2022年3月の予想1株利益が1,700円まで戻るとすれば、日経平均3万円としてPERは17.6倍まで低下します。PER 18倍で3万600円、19倍で3万2,300円、PER 20倍の日経平均は3万4,000円も許容できる可能性はあります。

3.急落する場合、その急落リスク要因とは?

市場で最も警戒されているのが、米国での長期金利の上昇。2021年2月25日に米10年債利回りが一時1.6%台に乗ったことをきっかけに、米国株式は大幅安になりました。それまでは徐々に上昇していたものの、1.5%以下で比較的落ち着いていた経緯があります。

米での1.9兆ドルの追加経済対策が決まり、新型コロナに対してもワクチン接種が進むなどで、今後は経済回復が加速するとの見方が浮上しています。これ自体は好材料ともいえるでしょう。

一方、市場が気に掛けているのはFRB(米連邦準備理事会)が資産買い入れの圧縮などで金融緩和策を後退させること。また、経済の過熱でインフレになる可能性も指摘されています。ジェローム・パウエルFRB議長は、雇用などは期待に達していないとし、金融緩和の長期化を示唆し続けています。それにもかかわらず、金利が上昇しているのは「緩和の先」を読み始めているともいえるでしょう。

また、金利の上昇は債券の魅力が高まることを意味しており、債券買い・株売りというリスクオフの動きになることが見込まれます。金利上昇そのものが景気回復に水を差すとの見方もあります。

ただ、米10年債利回り1.6%というのはコロナ禍以前に戻ったレベルで、過熱と呼ぶのは早過ぎる感もあります。資金の流れに変化が出るのは長期債利回り2%なのか、あるいはそれ以上なのか。金利に対しては、神経質な動きが続きそうです。

中期的には、バイデン政権のかじ取りに注目です。バイデン大統領は当選以前から、財政支出の財源は富裕層からの増税で賄うと公言しています。現在は非常事態だが、正常になれば所得増税や株式などキャピタルゲイン(売却益)課税の強化に踏み切る公算が大きい。

また先日、米政権の競争問題担当として、巨大ハイテク企業の支配状態に警告を発しているコロンビア大学のティム・ウー教授の起用を発表しましたが、GAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)への締め付け策が出る可能性もあります。また新型コロナについては、変異ウイルスの感染再拡大なども要注意といえるでしょう。

4.今後の投資方法と注目の業界

市場では「グロース株」(成長株)と「バリュー株」(割安株)を相互に物色する流れとなっています。基本的には、この流れが継続すると予想します。コロナ禍でテレワークが定着し、高速・大容量に加えて、多接続、低遅延などをうたう第5世代移動通信システム「5G」の商用サービス拡大などで通信量が増大しています。

性能の高い半導体、サーバーなどの需要が増加傾向をたどるため、関連企業の業績は順調に推移しています。一方、アフターコロナをにらみ、これまで相場の圏外にあった空運、鉄道、外食、観光関連などを見直す動きも出始めているようです。

また、世界的な景気回復を視野に入れ、船の運賃や、銅やアルミなどの非鉄金属や原油価格も上昇傾向にありますが、これらの関連企業も価格値上がりの恩恵を受けると見られます。2022年3月期の業績をチェックし、業績拡大、回復銘柄をピックアップする局面といえそうです。

免責事項

記載されている情報は、正確かつ信頼しうると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性または完全性を保証したものではありません。予告なく変更される場合があります。また、資産運用、投資はリスクを伴います。投資に関する最終判断は、ご自身の責任でお願いいたします。

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【バイデン/菅政権でも肝いり】世界的な潮流にある「クリーンエネルギー業界」の現状と注目の銘柄

クリーンエネルギー政策を真っ先に掲げるバイデン政権が誕生し、株式市場では年初に電気自動車(EV)や、洋上風力発電などの環境関連株を物色する動きが見られました。政策は一過性でないばかりか、欧州や日本、中国など主要先進国でも同様の流れが鮮明化しています。新型コロナウイルス感染拡大からの経済復興について、気候変動対策を軸とする「グリーンリカバリー」(環境に対応した経済復興)を目指す動きも見られています。

目次

  1. 世界的な潮流にある「クリーンエネルギー政策」の実態
  2. 「クリーンエネルギー政策」に大きく関与する業界とは
  3. 今後注目しておきたい「クリーンエネルギー」関連銘柄
  4. 関連業界の動向は常に注視しておきたい

1.世界的な潮流にある「クリーンエネルギー政策」の実態

バイデン新大統領はクリーンエネルギー政策を重点的に推し進める方針を明らかにしています。就任直後に、地球温暖化対策の国際的な枠組みである「パリ協定」への即時復帰を果たしました。

バイデン大統領は就任前の公約で、2兆ドル(約210兆円)規模の「クリーンエネルギー」計画を掲げました。バイデン政権では、増税による財源と財政赤字を合わせて4兆ドルの経済対策を行うとしています。

このうち4年間で2兆ドルをクリーンエネルギーとインフラに投資する計画ですから、非常に大掛かりです。風力発電や持続可能な住宅、電気自動車などを推進することで雇用の創出も狙っています。2035年までに電力部門のCO2排出ゼロも目指しているほか、2050年までに温室効果ガスの排出量をゼロにすることも宣言しています。

EU(欧州連合)では、10年間で1兆ユーロ(約120兆円)の「欧州グリーンディール投資計画」(2050年までに温室効果ガス排出をゼロにする目標)があります。

そのうち、7年間のEU予算で総事業費5,500億ユーロ(約70兆円)を「グリーンリカバリー」に投入する計画。ドイツでは500億ユーロ(約6兆円)の景気刺激策のうち、水素関連技術や充電インフラに95億ユーロ(約1.1兆円)を充当する方針。イギリスやフランスでも独自の案を出しています。

日本でも菅義偉首相が昨年10月の所信表明演説で、2050年までに温室効果ガスの排出量を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」、すなわち脱炭素社会の実現を宣言しています。

2.「クリーンエネルギー政策」に大きく関与する業界とは

真っ先に関連する業界は自動車業界で、既に動きが出ています。クリーンエネルギー政策では、ガソリン車から電気自動車に大きく舵を切る「EVシフト」の流れが鮮明になっています。

EUでは、2021年から車の燃費規制を強化しています。欧州で販売する車には1キロメートル走行時のCO2排出量に一定の規制がかけられ、達成できなければ高額な罰金が科せられます。2020年は猶予期間でしたが、今年からは欧州、海外メーカー問わず対応に乗り出しました。

2030年までに規制が一層強化されるため、ガソリン車だけを造っているメーカーは淘汰される可能性が現実になってくるでしょう。ガソリン車の開発では、内燃機(エンジン)の部品点数だけでもかなりの数があり、また開発には職人技も必要でした。

電気自動車は駆動システムが電池とモーターだけなので、部品点数は激減します。日本では完成車メーカーを頂点に数多くの部品メーカーが系列としてピラミッドを形成してきましたが、将来的には現状を維持して生き残るのは困難になるかもしれません。

電気自動車のバッテリーなどは高性能化が求められ、改善の余地がありそうです。充電スタンドなどインフラの整備が今後も進みそうです。また、燃料電池自動車(FCV)も有望です。電気自動車は、1回の充電で走行できる距離がガソリン車に比べて短く、充電にも時間がかかります。特に長距離トラックなどはこまめに充電している余裕がないため、1回の充電でガソリン車並みの走行距離が可能なFCVが、欧州を中心に注目されています。

クリーンエネルギーでは、洋上風力発電が注目されています。陸上の風力発電では設置場所が限られ、騒音も問題になっていますが、洋上ならば安定した風が期待できる上に、騒音もさほど問題にはならず、欧州では普及が進んでいます。日本では原発問題もあり、化石燃料を使った発電が多いのが現状ですが、島国である日本は海に囲まれているため、むしろ洋上風力発電に向いているといえます。

3.今後注目しておきたい「クリーンエネルギー政策」関連銘

電気自動車ではまず、リチウムイオン電池に注目が集まります。ただ、かつては日本が強かったリチウムイオン二次電池の部材では中国や韓国のメーカーが台頭し、日本企業の存在感が相対的に低下しています。リチウムイオン電池は、正極、負極、ショートを防ぐセパレータ(絶縁材)、イオンが移動する電解液の4つの部材からできています。

かつては4部門ともに日本が首位でした。ところが大手調査機関によれば、この4部門ともに国別のシェアでは中国がトップで、負極材では実に77%が中国製とのこと。日本はいずれでも2位となっているものの、韓国の追い上げが目立っています。そんな中でも、日本企業が強みを持っている分野があるのです。

●セパレータフィルム製造装置「日本製鉄所」

例えば、セパレータは樹脂製のフィルムでできています。このセパレータフィルム製造装置を造っているのが日本製鋼所で、アナリストによれば世界シェアは7割程度を有していると見られています。中国や韓国のセパレータメーカーでも、セパレータフィルムの製造装置は日本製鋼所のものが採用されていると推測されます。どのメーカーが売り上げを伸ばしても、同社が恩恵を受ける可能性が大きく、利益率も高いと考えられます。

●リチウムイオン電池用のバインダー「クレハ」

クレハはリチウムイオン電池用のバインダー(結合材)に強みがあります。リチウムイオン電池におけるバインダーの役割は「電極活物質を接着する」こと。電池の負極では活物質である炭素材料などと集電体である銅箔を、正極では金属酸化物などと集電体であるアルミ箔を結合しますが、これらが電極構造を維持する役目を担います。クレハはこの分野で世界シェア4割程度と見られています。また、日本ゼオンもバインダーで優位性があります。

●EV駆動用モーター「日本電産/明電舎」

EV駆動用モーターでは、日本電産が世界でも先行しています。モーターとギア、インバーターなどを組み合わせたシステム製品の「E-Axle(イーアクスル)」を開発。性能と価格の優位性を武器に、中国の大手自動車メーカーに採用されており、今後は欧州向けにも拡大が期待できそうです。明電舎も、EV駆動用モーターの量産化を急いでいます。

●固体電池関連「トヨタ自動車/三井金属/出光興産」

一方、次世代の電池として「全固体電池」が注目を集めています。リチウムイオン電池の電解液は液体で出来ているため、液漏れや爆発などの危険があるとされています。これを固体にしたものが全固体電池で、安全性が高い上に、電池の小型化や充電時間が短縮できるというメリットもあります。トヨタ自動車が内製化での開発で先行しており、2020年代前半にも販売する方針と報じられています。また、三井金属や出光興産が固体電解質の生産を目指しています。

●燃料電池自動車関連「トヨタ自動車/岩谷産業/川崎重工」

トヨタ自動車は、究極のクリーンエネルギー車といわれる燃料電池自動車(FCV)である「MIRAI」でも世界の先頭を走っています。FCVの燃料は水素であり、岩谷産業が日本の水素のパイオニア。水素の製造からサプライチェーンの構築などまで事業を展開しています。川崎重工は、輸送するために不可欠な水素液化機を日本で初めて発売しています。

●洋上風力発電関連「レノバ/丸紅/東京電力/オリックス/日立造船/五洋建設・NTN」

洋上風力発電では、再生可能エネルギーベンチャーのレノバという企業が先行し、秋田県由利本荘市での事業化を目指しています。地元の関係者との話し合いも重ねて、公募で落札できれば事業化が加速すると見られています。丸紅、東京電力、オリックスなども運営企業として有望です。日立造船は、洋上風力発電の風車を立てるための技術などで実績があります。

また、海洋土木大手の五洋建設は、SEP型多目的起重機船を保有しています。洋上風力発電の風車を建設するには、設置場所まで風車や軸の部分をばらして運搬し、海中に軸を埋め込んで組み立てる必要があります。これら一連の作業を行うのがこの船ですが、船で一貫して建設作業ができるという特殊船です。風車の発電向けなどのベアリングでは、NTNが強みを有しています。

4.関連業界の動向は常に注視しておきたい

株式市場では、いわゆる「理想買い」の状況です。EVベンチャーであるテスラの時価総額の大きさが話題になっていますが、将来の業績期待が先行している格好です。電気自動車や次世代電池が普及していく過程では、価格競争があり、性能面での優劣で勝ち組や負け組が発生することが想定されます。

新興国では、性能が高くて価格が安いガソリン車の需要がまだまだ高く、洋上風力も実現するまでには少なくとも5年程度かかると予想されています。実際に収益が出るまでには紆余曲折が予想されますが、関連企業に利益が出始めて「現実買い」になったときに、業界の地図が変わるのかもしれません。

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【2021年のマーケットを検証】バイデン新政権誕生で「沈む業界・浮く業界」

2021年1月20日にジョー・バイデン氏が米国大統領に就任しました。バイデン政権が掲げる主な政策(経済・通商・環境)は、投資家であれば誰もが気になるところでしょう。それぞれの政策の中身を掘り起こしながら、現在高騰を続ける米国や日本のマーケット、ひいては、どのような業界にどのような影響をもたらすのか、検証していきます。

目次

  1. 【経済政策】連邦法人税と裕福層への増税で4兆ドルの景気対策か
  2. 【通商政策】引き続き中国へのけん制か? TPP参加で日本企業へ追い風も
  3. 【環境政策】経済対策4兆ドルの半分を投入する肝いり政策
  4. 【その他】5G競争、インフラへの投資、FRBとの距離感からも目が離せない

1.【経済政策】 連邦法人税と裕福層への増税で4兆ドルの景気対策か

現在のところ、バイデン政権が打ち出す経済政策は、大きく以下の4つが挙げられます。

それぞれの内容の解説と、その後のシナリオを予想してみたいと思います。

(1)景気対策のための増税には警戒が必要

まず、増税と景気対策が挙げられます。バイデン政権では、連邦法人税を21%から28%に引き上げる見通し。また、富裕層への増税では最高税率を現状の37%から39.6%に引き上げるとの方針を示しています。こうした施策により増える税収約1兆4,000億ドルの財源と、財政赤字拡大による約2兆5,000億ドルを加えたおよそ4兆ドルの景気対策を打つ可能性があります。

増税は本来、株式市場にとってはマイナス要因ですが、NYダウなどは最高値圏にあります。市場では「新型コロナウイルス感染拡大による景気下押しを背景に、増税は当面実現できず、経済対策が先行することはマーケットには好材料」と捉えているようです。ただ、キャピタルゲイン(売買差益)税の強化に動くとの指摘もあり、中長期的には株式市場にとって警戒要因になりそうです。

(2)GAFAへの規制強化は経済全般へ影響する可能性も

また、グーグルを傘下に持つアップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コムのいわゆるGAFAなど巨大ハイテク企業に対する規制強化方針を打ち出しています。

かつては米国経済の成長エンジンとして評価され、サクセスストーリーともてはやされましたが、巨大になり過ぎて競争を阻害するとの懸念が出ています。昨年7月には当時、民主党が過半数を占める米下院の反トラスト小委員会が公聴会を開催し、GAFA4社のCEO(最高経営責任者)を呼び、反競争的行為についての関与についてただしました。

ネット上で大規模なサービスを展開するプラットフォームを構築し、他社が入り込めないなどの現状を問題視。その後、4社がそれぞれの市場で独占的な力を享受しているとの報告書が出ており、これが規制強化のロードマップになるとの見方があります。仮に規制が強化されれば、時価総額の大きい企業だけに、経済全般へ影響が及ぶかもしれません。

(3)オバマケアの推進はどちらに転ぶか

またバイデン氏は、オバマ政権時代に副大統領の職に就いていました。オバマ元大統領は公的医療保険制度の充実を図る、通称「オバマケア(Obamacare)」を推進。バイデン次期大統領もこの政策を存続・拡充すると見られています。

米国では長らく国が医療費の決定に介入せず、保険の加入も強制ではない半面、医療費が高額のため、治療を受けられない人も少なくありませんでした。2010年には医療保険制度改革法を成立させ、国民に公的医療保険加入を義務付ける一方で、低所得者に向けて補助金を出し、医療費の抑制にも取り組みました。しかし、トランプ政権はオバマケアに真っ向から反対し、全面廃止を要請。

医療費の抑制策は、医療機器・医薬品メーカーにとっては逆風になりますが、一方で国民皆保険になれば、国民が医療機関にかかりやすくなるため、結果として医薬品企業にとってもメリットとなる可能性があり、どちらが好影響となるかは甲乙つけがたい面がありそうです。

なお、当時を知る関係者は「オバマケア法案の発表時には、オリンパスやシスメックスなど米国に強い機器や試薬メーカーが売られた一方で、エーザイや第一三共などグローバルに展開する製薬企業は比較的堅調だった」と述べています。

(4)ボルカー・ルールに身構えるマーケット関係者

バイデン政権は、金融規制の強化に乗り出す可能性もあるでしょう。トランプ政権では金融規制を緩めていましたが、政権交代により、銀行や証券会社の活動を制約する動きに出る公算が大きいとされています。

具体的には、高リスク取引を禁止する「ボルカー・ルール(Volcker Rule)」の強化です。これは、オバマ政権時に起こったリーマン・ショックを機に、高いリスクのある取引を禁じるルールで、2010年に成立。しかしトランプ大統領が金融規制の緩和を訴えて当選し、2018年にルールを緩和したことで、市場取引がしやすくなりました。

米民主党の政策綱領にはボルカー・ルールの強化が掲げられており、市場関係者は身構えています。この他、ストレステスト(金融機関の健全化チェック)の強化や配当制限を課すとの見方も出ているようです。日本のメガバンクも米国でビジネスを展開しているため、影響が出るかもしれません。

2.【通商政策】引き続き中国へのけん制か? TPP参加で日本企業へ追い風も

(1)バイデン政権における対中政策の行方

通商政策で最も注目されているのは、米中関係の動向です。トランプ政権は対中政策で、関税引き上げなどの強硬姿勢を取ってきました。新型コロナウイルス感染拡大についても、中国政府の対応を非難しています。ZTEやファーウェイなどの中国系通信機器メーカーに規制を掛け、5GなどのIT分野で中国の競争力を削ぐ方策も取っています。

一連の動きは、経済力や軍事力が拡大する中国に対して覇権の阻止を狙ったものだと考えられるでしょう。バイデン政権も、中国へ引き続き毅然とした態度で臨むとの見方が多いようです。

中国では自国内で半導体を製造したり、工場を自動化したりするなどして、生産性を高める動きが出ています。これを機に、日本のFA(工場自動化)関連や、半導体製造装置関連企業などは、ビジネスチャンスになるかもしれません。

(2)GDP世界1の米国がTPPへ復帰も

また、米国がTPP(環太平洋パートナーシップ協定)へ復帰する可能性も出ています。TPPはオバマ政権が推進し、国境を越えた経済活動をスムーズに行う仕組みですが、トランプ政権は「アメリカ・ファースト(米国第一主義)」を掲げ、2国間の貿易を優先。自国に優位な協定を結ぶ戦略を取ってきました。2017年には、TPPの締結交渉からも離脱し、WTO(世界貿易機関)よりも高いレベルの自由化を目標に据えました。

ところが、多国間の連携を重視するバイデン氏がTPPへの復帰に舵を切れば、現在世界1位のGDP(国内総生産)を誇る大国が参加することになり、巨大な貿易圏が誕生するかもしれません。TPPには、「モノ」以外にも知的財産、電子商取引、投資などの項目も含まれており、日本企業にとってもメリットの方が大きいのではないでしょうか。

3.【環境政策】経済対策4兆ドルの半分を投入する肝いり政策

バイデン政権が最重視しているのが、環境政策の分野だといってもよいでしょう。冒頭の経済政策でも触れましたが、バイデン政権は増税で増える財源と財政赤字を合わせて、4兆ドルの経済対策を実施するものと見られています。このうち、4年間で2兆ドルをクリーンエネルギー関連とインフラに投資する計画です。

大統領選の公約では、風力発電や持続可能な住宅、電気自動車(EV)などを推進すると掲げており、雇用の創出も狙っています。2035年までにCO2(二酸化炭素)を排出しない電力業界の実現も目指しています。太陽光などの再生エネルギーを促進し、その電気をためる電力貯蔵施設の設置を加速する予定です。

トランプ大統領は、地球温暖化については「フェイク(嘘)」など切り捨ててパリ協定を離脱しましたが、バイデン政権ではこの協定にも復帰する公算が大きくなっています。パリ協定は、2020年以降の地球温暖化対策を定めた多国間の国際的な枠組みであり、世界の平均気温上昇を産業革命前と比較して、「2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力を追求すること」を目的としています。今世紀後半に温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることも目標です。

欧州や日本でも脱炭素の動きが加速しており、今後数年間は、世界的にクリーンエネルギー関連株が注目されそうです。洋上風力発電、バイオマス発電、EV、水素(燃料電池)、全固体電池に関連する銘柄などが有望といえそうです。その一方で、石油関連企業の経営にとっては大きな打撃となることが想定されます。

4.【その他】5G競争、インフラへの投資、FRBとの距離感からも目が離せない

バイデン政権では、未来のための技術革新として5G競争に勝利し、全国に高速通信網を整備することも目標にしています。また経済対策ではクリーンエネルギー投資に重点を置くものの、老朽化した道路や空港、橋、上下水道などのインフラにも積極的に投資するという方針です。さらにトランプ大統領が過度に政策へ干渉したと報道されるFRB(米連邦準備制度理事会)については、独立性を尊重する方針のようです。

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相場の行方を「干支」で分析!? 2021年「丑年」の相場観と注目銘柄を大胆予測!

株式市場では干支(十二支)でその年の株価を占うという、独特の伝統があります。干支には、たとえば「辰巳(たつみ)天井」「午(うま)尻下がり」など、その年の相場観を表す格言があり、その格言が過去の相場を的中させた事例がいくつもあります。     

2021年は「丑年」です。相場の動きと注目の銘柄を占ってみましょう。

●干支と相場格言

1. バブル崩壊は予測できた!? 過去に的中させたさまざまな事例

日本がバブル相場のピークを迎えたのは1988年~1989年で、ここが「辰年・巳年」でした。日経平均株価は1989年の年末に史上最高値3万8,915円を付けています。

そして1990年からバブルが崩壊します。まさに「辰巳天井、午尻下がり」で的中です。

(参考:日経平均プロフィル)

そして、2020年は子年。日経平均株価は11月に2万7,000円に迫り、1991年以来、29年ぶりの高値水準に進んでいます。まさに「子(ね)は繁盛」となっています。

戦後1949年に東証が再開され以降、子年は2020年を除き5回ありました。年間の日経平均株価の騰落率を「上昇=勝ち」「下落=負け」とすると、3勝2敗という成績です。
各年の子年の騰落率は以下の通りです。

●子年の騰落率

  • 1960年 +55.1%
  • 1972年 +91.9%
  • 1984年 +16.7%
  • 1996年 ▲2.6%
  • 2008年 ▲42.1%

5年分の騰落率を平均するとプラス23.8%になります。これは辰年のプラス27.9%に次いで2番目の好成績です。
しかも2008年にはリーマン・ショック。騰落率はマイナス42.1%にも達しており、これを含め平均で2割以上の上昇ということになります。

※年間の騰落率(%)={(その年の終値÷前年の終値)-1}×100

2. 丑年の格言「つまずき」の相場観と過去の勝敗

一方、2021年はつまずく丑年。丑年は前回までで過去6回あり、勝率は3勝3敗と5分ですが、平均の騰落率はマイナス6.3%。「午尻下がり」の午年(マイナス5.0%)を抑えて堂々の最下位です。1973年はオイルショック、1997年はアジア通貨危機――。丑年は景気の谷になりやすいようです。

アメリカの株式市場では牛は「ブル」(強気)、熊が「ベア」(弱気)の象徴とされますが、実際の丑(牛)年のパフォーマンスはお寒い限りということになります。

また、12年で一巡する十二支と、10年のサイクルである十干(じっかん)は中国を起源とする「陰陽五行説」と密接な関係があります。十干は甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸からなります。この組み合わせがもともと「干支」といわれています。

2021年は西暦の末尾が1の年で「辛(かのと)」。1991年、2001年、2011年はいずれも年間で下落しています。特に年後半にかけてのパフォーマンスが悪く、これは丑年とも重なります。大手調査機関のエコノミストは「10年程度の設備投資サイクルが悪化する年と考えられる」としています。

ちなみに、筆者は1961年(辛丑)7月生まれですが、当時は7月に株価が大天井を打ち、その後いわゆる昭和40年不況(証券不況)に突入していきました。

ただ、辛の文字のいわれは、陰陽五行で「金」性の「陰」にあたるといいます。

3. 2021年の注目銘柄は「牛乳」と「牛肉」の関連銘柄!

辛の時は「新しい」を意味し、草木が枯れて新たな世代が生まれようとする状態を表すそうです。

また、「商いは牛のよだれ」といわれます。これは、牛が反すうするように、地道に努力することが商売のコツであることを示しているといいます。

2021年、仮に株価が大幅に調整した場面は、2022年以降をにらんで新規の買いをコツコツ入れると成果が上がることにつながるかもしれません。

2021年の丑年の注目銘柄 ですが、ひねりはありませんが、牛乳で「明治ホールディングス(2269)」、「雪印メグミルク(2270)」、牛肉などで「プリマハム(2281)」、「日本ハム(2282)」、「エスフーズ(2292)」、「あみやき亭(2753)」、「ゼンショーホールディングス(7550)」、「吉野家ホールディングス(9861)」、「松屋フーズホールディングス(9887)」などでしょうか。

そのほか社名で挙げるとすると、創業者が牛尾さんの「ウシオ電機(6925)」も挙げられます。

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【出前館】売り上げ急増するも今期も営業赤字予想。大規模な先行投資での勝算はあるのか?

出前館は、出前フード専門Webサイトの「出前館」を運営しています。2016年に配達機能を持たない飲食店向けへの配達代行サービスである「シェアリングデリバリーサービス(R)」を開始。19年11月にそれまでの「夢の街創造委員会」から現社名に変更しました。現在の筆頭株主はLINEです。

2020年初め頃からの新型コロナウイルス感染拡大を受け、「3密」を避けるためのニーズとしてフードデリバリーの引き合いが活発化し、株価も上昇。市場の関心が高い銘柄です。

一方、中期経営計画で事業拡大のための大規模な投資実行で、2021年8月期も大幅な営業赤字予想を打ち出し、実現性に懐疑的な見方も浮上しています。業績の実績と予想、そして中計の内容や可能性などについて取り上げます。

目次

  1. 2020年8月期は26億円の営業赤字、売上高55%増も先行費用負担増
  2. 営業赤字は今期がピーク、中計最終年には120億円の黒字を目指す
  3. 新型コロナウイルス感染拡大で事業環境は追い風、デリバリーが日常に定着も
  4. 【まとめ】PSRは許容範囲、中計の達成可否は新型コロナウイルス感染症の収束時期との兼ね合いか

1.2020年8月期は26億円の営業赤字、売上高55%増も先行費用負担増

まずは直近の決算などについて分析したいと思います。

2020年10月15日に発表された2020年8月期決算(19年9月~20年8月)は売上高103億600万円(前年比54.6%増)となりました。

新型コロナウイルス感染拡大によってこれまでの日常生活が脅かされる中、「在宅勤務へのシフト」、「自宅での食事機会の増加」、「飲食店における営業時間短縮および座席数削減」が広がった結果、外食から中食へのシフトが進み、テイクアウトやデリバリーに対するニーズが拡大。同社の「シェアリングデリバリー(R)」を活用してデリバリーを開始する飲食店が急増しました。

こうした中で、同社では需要に応じるためにサービス展開を加速し、2020年8月末時点で1都1道2府21県まで拡大。ユーザー利用の拡大のために、タレントの浜田雅功氏をCMに起用するなどプロモーション強化に、先行費用がかさみ営業赤字になった格好です。

第2四半期決算発表時点(3月26日)で株価は660円、時価総額は約564億円でしたが、10月15日時点では株価3,025円、時価総額は約2,585億円と急増しています。

2.営業赤字は今期がピーク、中計最終年には120億円の黒字を目指す

2021年8月期は売上高280億円(前期比2.7倍)、営業損益130億円の赤字を見込んでいます。出前館流通金額は1,600億円(同2.5倍)となる見通しです。今期の赤字も業容拡大のための先行投資が要因です。

そして2023年8月期の出前館流通金額は3,400億円(20年8月期実績は1,027億円、売上高970億円(同103億円)、営業利益120億円の黒字(同27億円の赤字)を目指しています。

(「2020年8月期(第21期)通期決算説明会」より)

中期経営計画では「出前館×LINEで実現したい世界」「デリバリーの日常化」で、具体的には2021年8月期を出前館事業拡大のための大規模な投資実行、2022年8月期に出前館サイトの収益化、そして最終年の2023年8月期に「シェアリングデリバリー(R)」の通期黒字化を目指しています。

加盟店舗数は2022年中に10万店(20年7月で3万店)を達成予定。また、ユーザー数の拡大ではLINE IDとの連携(LINEの利用者は8,000万人超)を活用、「シェアリングデリバリー(R)」では人口カバー率50%以上(20年8月で30%)に拡大させる方針です。

営業赤字は今期がピークで、来期である2022年8月期は20億円の赤字まで縮小する計画です。中計最終年の2023年8月期は120億円の黒字を見込んでいます。売上高の伸びの大半は「シェアリングデリバリー(R)」の拡大による配達代行手数料の増加によるものです。

3.新型コロナウイルス感染拡大で事業環境は追い風、デリバリーが日常に定着も

新型コロナウイルス感染症の感染者数の増加が続いており、北海道や大阪府などでは飲食店の営業自粛が継続しています。感染はむしろ拡大気味に推移しており、フードデリバリーのニーズは拡大基調にあります。こうした流れが日常生活の中で定着しつつあるのは、同社にとって事業環境は追い風とみることができます。

ALTalk指標を見てみると、web訪問数もこの半年間、一定数を維持していることがわかります。

(ALTalk「出前館の指標」より)

【まとめ】PSRは許容範囲、中計の達成可否は新型コロナウイルス感染症の収束時期との兼ね合いか

020年8月期実績、2021年8月期計画でわかるのは、売上高の面では事業環境のフォローアップの風をとらえて、大幅な増収ペースを維持していることです。また、フードデリバリーが日常生活に溶け込みつつあり、一気に減少することは考えにくいといえます。

一方、会社側ではこの機をとらえて、一気に攻めに打って出ています。それが中計に反映されています。2020年8月期は攻めが吉と出て株価も大きく上昇しました。現在でも株価は高値圏にあり、投資家の評価は高いといえます。

今後の注目ポイントは、例えば新型コロナウイルス感染症のワクチンが行きわたり、感染者数が減少し、「アフターコロナ」への生活シフトが進むケースです。外出が自由になり、夜の飲食店街へも普通に出入りできる状況になった際に、デリバリー需要が後退することも想定されます。

出前館の株価指標をみておきましょう。

(2020年12月11日現在)

赤字なのでPER(株価収益率)は算出できず、PCFR(株価キャッシュフロー倍率)も営業キャッシュフローが赤字なので算出できません。PSR(株価売上高倍率=時価総額÷予想売上高)は一般的に、20倍以上なら割高、0.5倍以下なら割安とみなす指標で、同社のPSRは許容範囲内とみることができます。

今後は四半期ごとの決算で、特に売上高の動向をチェックすることが重要と思われます。攻めの投資が実を結べば、フードデリバリー業界の勝ち組として一段の評価を得られるとみられる半面、新型コロナウイルス感染症が鎮静化となった場合でも成長できるか――。LINEとの連携などの動向にも注視しておきたいところです。


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【鎌倉新書】コロナ禍による業績低迷も、20年6月以降はウィズ・コロナで底入れの兆しあり

葬儀、お墓、仏壇などのポータルサイトを運営する鎌倉新書(6184)。これらの領域はいずれも、従来は選択の余地が小さく、商慣行がややわかりにくい仕組みが難点でした。

2000年に全国の葬儀社検索や葬儀関連の情報サイト「いい葬儀」を開設。その後、2003年に霊園や墓地、墓探しのサイト「いいお墓」と、仏壇や仏具店を検索するサイト「いい仏壇」を開設しました。

また、2011年には全国対応が可能な遺品専門業者を紹介する「遺品整理なび」、2019年には家族らが亡くなったなくなった後の相続手続きをワンストップでサービスする「いい相続」も展開しています。

同社のサイトに行けば「終活」関連のほぼ全てが解決できるようになっており、供養サービスとITを組み合わせたビジネスモデルで成長してきています。

ただ、この業界にも新型コロナウイルス感染拡大の影響が出ています。

2020年12月に発表が予定されている2021年1月期の第3四半期決算や、来期の業績を占ううえでのポイントを取り上げます。

目次

  1. 上期(2~7月)では売上高は前年同期比4.9%減、営業損益は8,100万円の赤字。コロナ影響響く
  2. ウィズ・コロナの定着で業績には底入れ感も
  3. 【まとめ】第3四半期(8月~10月)で売上高と利益に底入れ感が出るかに注目

上期(2~7月)では売上高は前年同期比4.9%減、営業損益は8,100万円の赤字。コロナ影響響く

2020年12月に予定されている鎌倉新書の21年1月期の第3四半期決算発表を前に、第2四半期までの経営成績や事業展開、注目ポイントなどをチェックしておきます。

2020年9月10日に発表された21年1月期の上期(2020年2月1日~7月31日)決算は、売上高が13億8,600万円(前年同期比4.9%減)、営業損益は8,100万円の赤字(前年同期は3億1,700万円の黒字)となりました。全般的に新型コロナウイルス感染拡大の影響が出て、業績の下押し要因になりました。

第2四半期決算発表時点で業績を下方修正しています。21年1月期通期の売上高は前回予想を6億1,000万円減額の33億9,000万円(前期比3.9%増)、営業利益は2億4,500万円減額の2億6,500万円(同66.9%減)を見込んでいます。

第2四半期時点(9月10日)の株価は865円、時価総額は約335億円でしたが、11月16日時点では株価は1,185円、時価総額は約460億円と増加しています。

主力3事業の21年上期の売上高は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、軒並み減少しました。

お墓の買い控えが起こり成約数が減少。葬儀の施行単価が下落し、低価格層の葬儀成約数も減っています。仏壇も同様の傾向です。下方修正は主力3事業が想定より低迷していることが要因です。

相続事業については売上高の規模は小さいものの、順調に推移しています。

主力3事業は緊急事態宣言解除の20年6月以降、トレンドは上向きに変化してきているとしています。

ウィズ・コロナの定着で業績には底入れ感も

鎌倉新書の決算資料によれば、お墓事業では先行指標である紹介数は20年6月から回復傾向にあるほか、「密」を避けるために葬儀の小規模化(低価格化)が進んでいた葬祭事業でも直近では低価格葬儀は減少傾向になりつつあります。

仏壇事業も20年7月から回復トレンドに向かいつつあります。ウィズ・コロナの定着で、力強さには欠けるものの日常が戻りつつあるようです。

相続事業は前期から開始し、集客チャネルの多様化で順調に成長しています。

ALTalkのデータによると、20年5月以降の「いい葬儀」のweb訪問数が上昇傾向にあり、コロナ以降でも注目が集まっていることがわかります。第3四半期決算でこのweb訪問数がどう反映されるかが注目されます。

ALTalk「鎌倉新書の指標」より

日本の高齢化は着実に進みます。内閣府によれば、総人口に占める65歳以上の人口の割合(高齢化率)は2017年に27.7%、2040年には36%を超える見込みです。

「終活インフラ」を目指す鎌倉新書にとっては、長いスパンで見れば、ビジネスチャンスは少なくありません。

【まとめ】第3四半期(8月~10月)で売上高と利益に底入れ感が出るかに注目

2021年1月期の第2四半期決算からは、短期的な業績はコロナ禍の直撃を受けて想定以上に厳しい環境が浮かんできました。

一方、20年6月以降では主力3事業に徐々に底入れの気配が感じられました。第3四半期で下げ止まりの兆しが見えれば、来期である22年1月期の業績の回復の確度は高まることが予想されます。20年8月以降の株価の戻りは、こうした期待感を織り込んでいる可能性があります。

お墓事業、葬祭事業、仏壇事業は、それぞれ個別では競争が激化しています。

一方、相続事業や保険事業などにも展開し、「終活をワンストップで行える」同社のビジネスの参入障壁は意外に高いともいえそうです。

鎌倉新書の株価指標を見ておきましょう。

(20年11月16日現在)

PSR(株価売上倍率)は成長株の評価に使われる指標で、おおむね20倍以上では割高、1倍以下なら割安と判断します。

鎌倉新書のセクターは成熟産業ですが、ワンストップで活用できるネットサービスという観点では成長株と判断されます。PERの高さは、来期の業績回復を織り込みプレミアムが付与されている可能性があります。

今後の四半期ごとの決算をチェックする必要はありますが、成長性を加味すれば、割高とはいえないと考えられます。


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参考資料

2021年1月期 第2四半期 決算説明資料

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PER400倍以上!「スガノミクス銘柄」メドレーはオンライン診療の恒久化実現で関心高い

新型コロナウイルス感染症拡大を機に注目が一気に高まったオンライン診療。メドレー(4480)は日本最大級のオンライン診療システム「CLINICS(クリニクス)」を展開しています。

時限的なオンライン診療の初診解禁もあり、先行者利益的な側面もあって業績が拡大しています。株価も2020年10月半ば頃まではほぼ一本調子の上昇を見せてきました。

一方、人手不足の看護職などの求人を行う、人材プラットフォーム事業という部門もあり、収益は安定性もある程度有しているともいえます。2020年12月期の第3四半期(1~9月)決算での注目点を取り上げてみました。

目次

  1. 4~6月期の売上高は前年同期比42%増、利用医療機関数の増加が主因
  2. 人材プラットフォーム事業が安定収益源
  3. オンライン診療は順調に拡大、利用医療機関数は前年同期比2倍に
  4. 【まとめ】「スガノミクス」によるオンライン診療の恒久化の動きに期待

4~6月期の売上高は前年同期比42%増、利用医療機関数の増加が主因

20年11月に予定されているメドレーの20年12月期(連結)の第3四半期決算発表を前に、第2四半期までの主な経営指標と事業展開、注目ポイントなどについてチェックしてみます。

20年8月に発表した第2四半期累計(1月1日~6月30日)は売上高35億6,400万円、営業利益4億5,200万円となりました。上場後初決算で、前年同期との比較はありません。

ただ、実質的には大幅な増収増益となっています。

第2四半期(4~6月)だけで見ると売上高23億1,500万円(前年同期比42.0%増)、営業利益6億6,300万円(同26.2%増)です。

新型コロナウイルス感染拡大でオンライン診療の利用医療機関数の増加を背景に高い伸びとなっています。

20年12月期通期の業績予想は売上高が66億円(前期比38.5%増)~69億円(同44.8%増)、営業利益は3億3,000万円(同2.15倍)~6億3000万円(同4.31倍)と期初予想を据え置いています。

第2四半期決算発表時点(8月14日)で株価は3,570円、時価総額は約1,078億円でしたが、10月26日時点では株価は5,750円、時価総額は約1,737億円と大幅な上昇を見せています。

人材プラットフォーム事業が安定収益源

メドレーの事業は「人材プラットフォーム事業」「医療プラットフォーム事業」「新規開発サービス」の3つの部門に分かれます。

人材プラットフォーム事業では、看護師や介護職・ヘルパー、保育士などの人材不足に対応。一定期間職場を離れた人材が復職しやすいよう、時短勤務制度、子育て支援など、ライフステージの変化に応じた働き方が選べる職場の求人などを多く掲載しています。

人材プラットフォーム事業の第2四半期累計の売上高は約30億900万円(比較なし、以下同)、セグメント利益は約14億3,800万円。新型コロナウイルス感染拡大での緊急事態宣言の影響で面接の遅延、入職延期の影響が出ましたが、同宣言解除後に復調したもようです。

医療プラットフォーム事業では、新型コロナウイルス感染拡大以降に話題になっているオンライン診療に関連しているビジネスが柱。コロナを機にオンライン診療が時限的措置である初診解禁を背景に、クラウド診療支援システム「CLINICS(クリニクス)」が拡大しています。

医療プラットフォーム事業の売上高は約5億300万円、セグメント損失は約2億5,300万円。売上高は拡大しているものの、成長投資や先行投資が赤字の要因に。他社の電子カルテ資産の取得費用も含まれます。

新規開発サービスでは、老人ホームの検索サイト「介護のほんね」などを手がけています。新規開発サービスの売上高は約5億1,900万円、セグメント損失は約4,000万円でした。

オンライン診療は順調に拡大、利用医療機関数は前年同期比2倍に

人材プラットフォーム事業は緊急事態宣言後の発出(4月7日)により、面接設定の遅延や入職延期の影響を受けて低成長にとどまりましたが、5月25日の同宣言解除以降は高成長軌道に回復しているとのことです。採用プロセス上のボトルネックは6月時点で解消しました。

医療プラットフォーム事業では利用医療機関数が第2四半期末時点で前年同期比約2倍の2,173件に達しています。オンライン診療への機運の高まりが要因です。また、メドレーとしては新型コロナウイルス感染拡大の影響で診療所の新規開業減に伴う電子カルテの販売数低下を見込んでいましたが、堅調な販売が継続したそうです。

【まとめ】「スガノミクス」によるオンライン診療の恒久化の動きに期待

メドレーの第2四半期の決算からは安定して収益を稼ぐ人材プラットフォーム事業に対し、先行費用負担はありながらも急速に売上高が拡大している医療プラットフォーム事業という内容がわかってきました。

オンライン診療は緊急事態宣言後も、初診の利用だけでなく、再診でも利用する傾向が強く、日常生活にオンライン診療が根付き始めています。

一方、日本医師会はオンラインの初診は例外で、平常時には対面に戻すよう求めています。こうした中で、菅義偉首相はデジタル化を推進する政策の中で、オンライン診療の恒久化を目指しています。実現すれば、一段の追い風になりそうです。

人材プラットフォーム事業は人材不足の常態化を背景に、順調に伸びる見通しですが、オンライン診療のような急成長は期待できないと思います。業績の下支えとして期待をしておきたいです。

メドレーの株価指標を見ておきましょう。

・PER(株価収益率):404.92倍
・PBR(株価純資産倍率):40.95倍
・PSR(株価売上高倍率):25.55倍
・配当利回り:0%

成長フェーズにある企業ではPER、PBRはあまり参考になりませんし、PSRも一般的ではありません。

20年12月期の売上高予想の上限は69億円(前期比44.8%増)です。まだ、規模が小さい会社ですから、このペースの売上高の変化率が維持されるのかが今後のポイントといえます。

メドレーのオンライン診療システム「CLINICS(クリニクス)」は日本最大級の規模を誇っています。今回の新型コロナウイルス感染拡大で顧客である診療所を多く獲得し、先行メリットを享受しています。一方、これからは新規参入も相次ぐ可能性があります。

課題をクリアし、いかにトップライン(売上高)を伸ばせるかが、当面の株価の行方を決めることになりそうです。PER、PBRの高さは、期待値が低下する局面では株価の乱高下の可能性もあることを念頭におく必要もありそうです。


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